俳優・クリエーターの井浦新(いうら・あらた)の写真展「空は暁、黄昏れ展」が神奈川・箱根の彫刻の森美術館 本館ギャラリーで開催されている。会期は2013年3月3日(日)まで。
本展は、井浦の撮影による2013年の彫刻の森美術館のカレンダーの発行を記念した彼の活動を紹介する、写真を中心としたアート空間となっている。これまでライフワークとして撮りためた作品や、カレンダー制作のために彫刻の森美術館の風景を撮影した作品、ほかにも箱根の自然、文化、風土、歴史などを撮り下ろした作品を展示している。
展示は、本館ギャラリー1階、中2階、2階と3部構成。1階は、井浦の考える「新・富嶽シリーズ」や、箱根の祭や自然などをおさめた作品、床一面を使った巨大な作品など、色彩あふれる作品群が並ぶ。中2階は一転してモノクロームの世界となり、小田原提灯など和紙を使った作品が展示され、「和」を感じさせる空間となっている。2階は、“映画館”をコンセプトに、展覧会に向けての撮影を追ったドキュメンタリー映像や本人が撮り続けた写真のスライドショーを投影。彫刻の森美術館が初の“映画館”となった。
井浦は1990年代にファッションモデル"ARATA"として人気を博し、現在は俳優として映画やドラマに多数出演している。ファッションデザイナーやフォトグラファーとしての顔も持つ。ファッションブランド『ELNEST CREATIVE ACTIVITY』のディレクターを務め、国産にこだわったアイテムや日本の伝統工芸継承のためのものづくりを企画、ライフワークとして日本の自然や伝統文化を撮影するなど、日本の伝統を現代に取り入れた新しい価値を生み出す活動でも知られている。
昨年10月に逝去した若松孝二監督の作品には2008年からレギュラーで出演。2012年若松監督作品「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」より芸名ARATAから本名井浦新に改名した。