平成の凌雲閣「マルハン松竹六区タワー」、来年12月開業。エンタメ浅草を活性化

2013.07.01

今年4月に設立された株式会社トーキョー六区シティ(TOKYO ROCK CITY)は、台東区の浅草六区地区の再開発計画「浅草六区再生プロジェクト」を開始する。トーキョー六区シティは、パチンコ大手のマルハン、松竹、大手芸能事務所アミューズ、浅草観光プランナーであるセグラスの4社による合弁会社。

プロジェクトは、浅草六区地区を中心とする浅草の街をライブエンターテインメントで活性化させ、多くの人でにぎわう街と空間づくりを目的として官民一体で推進。第1弾として、昨年閉館した浅草中映劇場のあった浅草中劇会館並びに浅草新劇会館を再開発し、二つの劇場と遊戯施設、飲食店などを備えた複合型エンターテインメント施設、マルハン松竹六区タワーを来年12月に開業する。明治期に建設され、関東大震災の影響で解体された浅草のシンボルタワー、凌雲閣を彷彿とさせる外観デザインで、地下1階、地上8階の建物となる予定。

劇場で上演されるコンテンツは、他社には委託せず、トーキョー六区シティが興行主となり運営。アミューズ代表取締役の大里洋吉がゼネラルプロデューサーに就任し、舞台を中心に、中劇場、小劇場共に世界展開を視野に入れた演目を製作・上演する。

浅草六区は浅草寺の西側に位置し、中心街は全長約300mの六区ブロードウェイ。明治期に日本初の常設映画館が開館し、大正期には「日本の喜劇王」と呼ばれたコメディアンの榎本健一らが出演していたオペレッタ形式の「浅草オペラ」が大流行に。終戦後もフランス座からビートたけしや萩本欽一など多数のエンターテイナーを輩出し、演劇、映画、落語寄席などが集まる街として繁栄したが、テレビの普及などにより最後まで残っていた映画館が相次ぎ閉館。現在、浅草には国内外から年間2,000万人以上の観光客が訪問。昨年のスカイツリー開業や隅田川活性化プロジェクトなどを受け、大きく変化しつつある。
くまがいなお
  • 来年12月開業予定のマルハン松竹六区タワー
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