開店88周年を迎える銀座で最も古い百貨店「松屋銀座」が、2001年の全館リニューアル以来12年ぶりとなる大規模な改装工事を終え、14日にグランドオープンする。今プロジェクトは09年から進めてきた。対象フロアは地下1階から4階、6階、7階の7フロア。総改装面積は約7,000平方メートル。
ターゲットはファッションとデザインにこだわりのある30から40代の女性に設定。店内は2階のインポートブランドフロアを中心にインターナショナルファッションゾーンを大幅に改装。ウィメンズシューズにスポットを当て、取り扱い面積を約2倍に拡大した。東京初出店の「ロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)」の他、「シャーロット・オリンピア(Charlotte Olympia)」「ジュゼッペ・ザノッティ・デザイン(Giuseppe Zanotti Design)」が新規オープンに名を連ねる。「09年ではシューズブランドは0だったが26ブランドに増やした。同様に3階も65から72ブランドに増やしている」と古屋毅彦・松屋取締役執行役員本店長は強調する。
しかし、靴のみにフォーカスを当てた訳ではない。3階はリアルテイストなコンテンポラリーインポートゾーンを構築。「レペット(Repetto)」「ミリー(MILLY)」「クリスティーナ・ティ(Kristina Ti))」などが新規に出店。4階にはイッセイミヤケブランドを集積したコーナーが中央に配置された。「“ファッションは足元から”というスタンスのもと、豊富に取りそろえたシューズを目玉に集客を図り、更にトータルコーディネートで買い物が出来るよう買い回りのしやすい店内、販売体制を整えていく」(同)。
また、注目すべきは1から3階の3フロアへと売り場を拡大し、日本最大面積となりフルカテゴリーショップとして生まれ変わった「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」。外装が8階まで伸び、別店舗のような外観だ。新バッグシリーズ「W シリーズ」が先行販売されている。
MDのみならず、スタッフの接客にも力を入れる。研修を見直し、ホスピタリティーのある”おもてなし”を通した日本らしい接客をしていくという。
「景況、東京オリンピックが決定したことなど良いタイミングでのリニューアルオープンとなった。銀座に唯一本店を持つ百貨店としてがんばっていきたい。半期で売り上げ107%増を目指している。イベントも多く予定している。今後は攻め続ける6ヶ月だ」と古屋本店長は意気込みを見せた。