現代美術家であり、近年では伝統芸能の企画演出も手掛ける杉本博司が内装設計を手掛けた料理店「素透撫(すとうぶ)STOVE」が山梨県・北杜市にオープンした。住所は山梨県北杜市長坂町中丸 4551。
清春白樺美術館や画家・梅原龍三郎のアトリエなどが点在する、清春芸術村に隣接する同店の建物は、岩波書店元会長で文人画家でもあった小林勇の冬青庵を、鎌倉から移転し改修したもの。店名は「素材を透明になるまで撫でるように慈しむ」といったイメージで杉本が命名した。
木造2階建てで延床面積は199.15平方メートル。正面玄関には竹箒で生垣が作られ、入口には杉苔の庭があり、開放的なテラスも設けられている。内部は、元々あった天井板や障子などを取り払って改装され、ヒバの一枚板を使用したカウンターと、テーブル席を用意。杉本の代表作「水平線」も飾られ、中央にはオリジナルデザインのストーブが置かれている。
料理は、東京の老舗フレンチレストランなどで経験を積んだ清水秀樹シェフが担当。新鮮な地元野菜中心とした料理が、陶芸家の黒田泰蔵らが同店のために特別制作した器で提供される。
ランチは11時半から15時まで(14時半ラストオーダー)で、2,500円から5,000円までのコースを用意。ディナーは18時から21時半まで(20時半ラストオーダー)で、4,500円から8,000円までのコースを用意。シェフお任せコースは要予約。土・日曜日、祝日のみ、15時から17時半までティータイムが楽しめる。月曜日定休(ただし、祝日の場合は翌日)。
来春には清春芸術村内に杉本設計のガラス張りの茶室も完成する予定。また、現在、同レストラン近くには建築家の藤森照信が木の上に作った「空中茶室」も見ることが出来る(内部は非公開)。