コシノヒロコがファッションデザイナーから離れ、ひとりのアーティストとして2011年にパリ装飾美術館で行った際に制作された大作が、銀座のKHギャラリーで日本初公開された。
「コシノヒロコ 四季の対比」と題された今回の作品展は、コシノが本格的に絵画に取り組むようになった2011年の作品と新作を展示。メキシコを旅した時にインスピレーションを得、2011年に発表しテキスタイルのプリントとしてもコレクションに使用されたサボテンの作品なども公開されている。
完成された作品の上に新たに石膏など新しい色、画材を重ねることで陰影をつけた新作など、月と太陽、光と影、暖と寒など自然界の様々な対比をテーマに、それを四季の移ろいとして構成し、描きながら作品を構築していく作家としての哲学を感じさせる企画となっている。
今回パリの個展で発表し、国内では初公開となった大作は「これまで書では屏風など大きな作品は数多く発表していたけれど、今回展示したのは絵画として初めて手がけた大きさ。自宅のアトリエで見ているより、やはりギャラリーに展示されて存在が際立った」とは小篠弘子本人の弁。
3月のメルセデスベンツファッションウィーク東京で発表された15-16AWコレクションでは、北欧の森をテーマに植物や動物の絵画モチーフが動的な美しさが洋服に落とし込まれ、若返りを果たしたコレクションとなったが、今回のアート作品では幻想的ながら静的な作品として展示され、コシノワールドの多面的、複層的な魅力が表現されている。
現在は「2年後に予定されているイタリアでの大きなエキジビションを準備中」と、常に新しい活動に向けて精力的な創作が続く。今回の展覧会は6月14日まで開催される。
【イベント情報】
「コシノヒロコ 四季の対比」
会場:KHギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座4-3-13 和光並木通ビルB1F
会期:5月20日~6月14日
時間:10:30~19:00(会期中無休)
入場無料