フランス発祥の“世界一優雅なシークレット・ディナー・パーティ”と称される「ディネ・アン・ブラン(Diner en Blanc)」が10月3日、ついに日本で開催された。
「ディネ・アン・ブラン」とは、約25年前にパリでスタートしたディナー・パーティで、参加者にはいくつかのルールが課せられる。1つ目は、“白”のドレスコードに従い、靴やアクセサリーにいたるまですべて色を統一させること。もちろん、色以外の規制はなく、それぞれが自由にコーディネートすることができるため、会場に現れた参加者たちは、誰もが存分に個性を発揮。ある人はウェディングドレスから美しいデコルテをのぞかせ、またある人は仕立てのいい着物でノーブルな雰囲気を纏って周囲の目をひいていた。
そして2つ目のルールは、参加者自らがディナー・パーティに必要なものすべてを持参すること。無論、料理やお酒のみではなく、食器や椅子にいたるまでのすべて持参。
こうしたルールが設定された理由は、「ディネ・アン・ブラン」の誕生秘話に由来する。「ディネ・アン・ブラン」が誕生したのは98年のこと。数年ぶりに海外からパリに戻ったフランソワ・パスキエなる人物が、友人たちとの久々の再開を楽しむためにパーティを企画したのだが、参加希望者があまりにも多かったため、会場をブローニュの森にして、お互いに分かりやすいように白い服を着て集まろうと提案したのだ。いうまでもなく、森の中でパーティを楽しもうとすれば、料理やカトラリーは持参必須。こうして、世にも珍しいパーティのコンセプトが生まれたというわけだ。
さらに、パスキエの息子のひとりによって、このスタイルが海外にも広まることとなる。こうして、「友人の輪とクチコミだけ」でスタートしたパーティは、今や五大陸を跨ぐものへと発展を遂げた。
また、「ディネ・アン・ブラン」にはもう一つ大事な設定がある。それは、イベントスタートの数時間前まで会場が明かされないというものだ。ギリギリまで場所が分からなければ、誰もが想像を膨らませ、期待に胸を高鳴らせるもの。そうした想像の時間さえ楽しめるのが、このパーティの大きな特徴でもあるのだ。
もちろん、今回も会場が発表されたのは開場数時間前。しかも、参加者はまず第一集合場所に集められ、そこから揃って第二集合場所に移動し、最後に会場まで共に進むという特殊なスタイルがとられている。
第一集合場所には、新橋駅SL広場、新宿アルタ前広場など4か所が指定され、そこから第二会場の外苑前駅もしくは青山一丁目駅まで移動。最終的に全員が到着したのは、会場となった聖徳記念絵画館だ。
会場に集結した参加者たちは、自らが持参した椅子やカトラリーを並べ、見事なテーブルセッティングを披露。中には、テーブルコーディネイトのための花束や花瓶、置物まで持参している人もいるほど! 他の参加者のテーブルのクオリティの高さに驚き、「写真を撮らせてください」とお願いしている人も続出していた。
ディナータイムが終わると、DJ芹澤直樹やダンスカンパニー「DAZZLE」によるエンターテインメントショーがスタート。参加者たちは最後まで、日本初となる夢の時間を満喫した様子だった。