ピエール・アルディ(Pierre Hardy)がエルメス(HERMES)のジュエリー クリエーティブ・ディレクターに就任して15年。彼はこれまで宝石ありきのジュエリーデザインとは一線を画す、自由なクリエーションを行いながらエルメスらしさを追求してきた。
エルメスが12月13日まで、伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージにて「エクラン・ドール(ECRIN D'OR)」を開催中。「エクラン・ドール」とは、フランス語で“金の宝石箱”を意味する。ピンク、イエロー、ホワイトゴールドのエクセプショナルな5つのゴールドジュエリーコレクションが一堂に会する。
ピエール・アルディのクリエイティブな発想の創造に取り組むのは、どんな技巧も受けて立つ職人たち。コレクションの1つ「サングル・エルメス」には、メゾンのルーツである馬具をモチーフに、ホワイトゴールドとダイヤモンドを用いたネックレスとブレスレットがそろう。ジュエリー職人の精緻な技術により、非常にしなやかなゴールドとダイヤモンドのファブリックが実現した。
メゾンを象徴する馬の意匠がジュエリーで表現された「ギャロップ・エルメス」は、非常に珍しいピンクゴールドとブルーサファイアを組み合わせたコレクション。躍動感のある馬の頭部のシルエットにサファイアを配した指輪や、螺旋状にトルサードされたネックレスなどがラインアップ。
1938年、ロベール・デュマが船の錨鎖に着想を得てデザインしたシルバーチェーン「シェーヌ・ダンクル」をモダンに昇華させたのが「シェーヌ・ダンクル・アンシェネ」。「フィレ・ドール」は、エルメス初のジュエリーとして1927年に製作された、馬銜から着想を得たブレスレット「フィレ・ドゥ・セル」を受け継いで現代へ繋ぐコレクション。馬銜のエレガントな曲線は、ホワイトゴールドとダイヤモンドでしなやかに表現されている。
ナイルクロコダイルの学名から名付けられた「ニロティカス」は、クロコダイルスキン模様が、ゴールドで忠実に、しなやかに表現されている。斑の形もまるで本物のクロコダイルのように一つ一つが異なる。配列はクロコダイルの斑が脊柱を境にして左右対称であるのと同じく、ダイヤモンドのバレットを中心に左右対称を成している。
なお展示演出は、エルメスのパリ・フォーブル・サントノーレ店のウィンドウも手掛けるアントワーヌ・プラトー(Antoine Platteau)によるもの。「ケリー」や「バーキン」を彷彿させるレザーのオブジェと共に「エクラン・ドール」の世界に浸っていただきたい。