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第11回目は、今年の5月末、フランス・パリにオープンした現代美術館「ブルス ドゥ コメルス」にフォーカス。施設概要からファーストエキシビションの内容まで、注目ポイントをご紹介。早速チェックして。
パリの新アートスポット「ブルス ドゥ コメルス」とは?
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ルーブル美術館に、オルセー美術館。誰もが知るアートミュージアムのあるパリの街に、今年、新たなアートスポット「ブルス・ドゥ・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」が誕生。コロナ禍の影響により、当初のオープン予定から約1年延期となっていただけに、待望の開館日には、世界各国のアートファンが歓喜したことは言うまでもない。
同施設は、ケリング(KERING)の創業者である、フランソワ ピノーによる現代美術館で、彼が1960年以降、長きに渡り収集した約3,500点(その額なんと、総額12.5億ユーロ……! )のプライベートコレクションから選りすぐりの作品が展示されている。
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一歩足を踏み入れたら始まる、アートな空間体験。
安藤忠雄によって、新たな息吹がもたらされた18世紀の建築
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収蔵作品はもちろん、建物自体にも注目が集まっている。本美術館の開館に伴い、建築家の安藤忠雄によって改装工事が行われたこの建物。元々は、18世紀に穀物の取引所として使用されていた場所で、近年も美術館計画の前までは、ファッション関係の展示会やイベント会場などとして度々使用されていた。
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改装にあたり、安藤は、元の18世紀の円形の建物をきっちりと残し、その内側にコンクリートの新たなスペースを創り出した。その造形に採用されている円形には“未来”、円には“希望”の意味が込められているのだそう。
美術館として生まれ変わったこの建物には、10ヶ所の展示室の他、地下にオーディトリアム(講堂)、最上階には、ミッシェル&セバスチャン ブラスの「ラ アール オ グラン(※)」レストランが入っている。アート展だけでなく、講堂で開催されるであろうイベントや食事なども、この特別な空間体験と共に楽しみたい。
(※レストランの名称は、この建物が18世紀に穀物の取引所として使用されていたことに由来)
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ちなみに、フランソワ ピノーは、今回のブルス・ドゥ・コメルスの他にも、ベニスの「パラッゾ グラッシ」「プンタ デラ ドガーナ」といった美術館を所持しており(全3件中一番広い建物は、ブルス・ドゥ・コメルス)、そのすべての内装を安藤忠雄が手掛けている。興味がある人は、この2つの施設にも足を運んでみるといいだろう。
>>【続いて展示作品をチェック! 】
ブルス・ドゥ・コメルスのオープニングを飾る、13のエキシビション
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