「ゴッホとゴーギャン展」が10月8日により東京都美術館にて開催されている。本美術展はファン・ゴッホとゴーギャンという19世紀末に活躍した2人の偉大な画家をその交流からアルルでの共同生活を中心に、作風の変遷を初期から晩年まで辿ることができる、アジアで初めての美術展だ。
展示は第1章「近代絵画のパイオニア」、第2章「新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い」では2人が影響を受けた画家の作品や、同時代に刺激しあった画家とのエピソードにまつわる作品があるが、一転して第3章以降の共同生活後はすべて2人の作品のみで構成。10月23日にアルルに到着し、12月25日にゴーギャンが去るまでの2ヶ月に与えあった影響の大きさを感じることができる。
時代ごとに展示室の壁面の色が変えられているが、アルルの黄色い家で過ごした当時の作品が並ぶ展示室の壁は鮮やかな黄色だ。また、作品の近くには画商として活躍していたファン・ゴッホの弟テオや画家のピサロやベルナールなどへの書簡から引用したその当時の2人の感情を配し、当時の絵画に対する思いや、お互いへの印象などが来場者にもわかるようになっている。
ファン・ゴッホが使用した絵具のなかには耐久性の低いものもあり、近年の研究によって年月の経過や光の影響で変色したり、色が薄れてしまうものがあることも判明。そのため、ファン・ゴッホ美術館では1885年後半以降のファン・ゴッホの絵画に当てる照明を75ルクスに制限している。これは国際博物館協会が油彩画に推奨する照度の150ルクスから180ルクスよりの半分以下だ。そのため、所蔵がファン・ゴッホ美術館以外の作品も含め、本展覧会では低い照度を設定している。
会期は12月18日まで。東京都美術館での展示終了後は、2017年1月3日より愛知県立美術館にて巡回展示される。
【展覧会情報】
「ゴッホとゴーギャン展」
■東京会場
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
会期:2016年10月8日~12月18日
時間:9:30~17:30
金曜日、11月2日、11月3日、11月5日は20:00まで ※入室は閉室30分前まで
料金:一般1,600円、大学生・専門学校生1,300円、高校生800円 、65歳以上1,000円
休室日:月曜日、10月11日 ※ただし、10月10日は開室
■愛知会場
会場:愛知県美術館
住所:名古屋市東区東桜1-13-2
会期:2017年1月3日~3月20日
時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで ※入館は閉館30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし1月9日、3月20日は開館)、1月10日