メキシコシティから北東へ約100kmに位置するパチュカ、パルミータス地域。メキシコを中心に活動するストリート・アート集団「Germen Crew」が政府と協力をして、その地域に色鮮やかで目を引く壁画を完成させた。
壁画といってもよく私たちがよく目にするような、ただ一箇所に作品を描いたものとはスケールがまったく違う。今回のプロジェクトで「Germen Crew」がキャンバスとしたのは、なんとエリア一帯の住居の壁。
このプロジェクトはパルミータス地域の美化・復興を目指すために計画された。対象の地域の面積は20,000m2。まず一体をすべて白に塗り替え、その後、一軒一軒をサイケデリックな配色に仕上げた。209軒以上の住居にペイントが施され、この途方もない労力が費やされたアート作品の中で452世帯、1,808人が生活をしている。
このアートプロジェクトの第一の目的は地域の美化・復興を目指すことであったが、思いがけない効果をもたらした。作品の色とりどりのビビッドな配色が自然とそこで生活をする人々の性格を変化させたのだろうか、驚くべきことに若者間で起きていた暴力犯罪がすっかりなくなったという。また、このプロジェクトの実行にあたり新たに雇用も生まれたそうだ。
見るだけでも楽しい気分になれるカラフルな作品が、明るく陽気なメキシコ人のイメージとマッチしており、そこで楽しげに暮らす住民たちの顔が目に浮かぶ。
※本記事は (引用元: http://www.streetartnews.net/ ) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。