「KYOTOGRAPHIE2016」「オーダーメイド:それぞれの展覧会」と5月の京都はファッション関連アートイベントが充実

2016.05.01

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016が4月23日よりスタートした。第4回目となる今年は「Circle of Life いのちの環」をテーマに、京都市美術館別館、両足院(建仁寺塔頭)、無名舎など、京都市内にある15会場で14の展覧会が開催されている。


毎回、その会場巡りも楽しみのひとつとして知られる同写真祭は、今回、作庭家の重森三玲旧主屋部の招喜庵や、京都市指定有形文化財の長江家住宅などがギャラリースペースとして公開されている。招喜庵ではサラ・ムーン(Sarah Moon)が初めてプラチナプリントを試みた「Time Stand Still」を展示。サラ・ムーンは同スペース以外にも、ギャラリー素形において新作の大判プリントのシリーズ「Late Fall」、祇園の何必館でも個展が併催されている。

また、長江家住宅では昨年度のKYOTOGRAPHIEサテライトイベントKG+のAWARDを受賞した古賀絵里子の新作、両足院ではアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)が国内初の個展を開催。世界各地で30年近く取り続けてきた自然をモチーフにした作品と今回京都・両足院で撮り下ろした作品も発表されている。

ファッション関連の展示では、京都市美術館別館で開催されている「Coming into Fashion-コンデナスト社のファッション写真でみる100年presented by CHANEL NEXUS HALL」で、1920年代から現在にいたるまでの『ヴォーグ(Vogue)』を中心としたアーカイブ作品を展示。エドワード・スタイケン、アーヴィング・ペン、ギィ・ブルダン、デビッド・ベイリー、ウィリアム・クライン、ヘルムート・ニュートンなどスターフォトグラファーの作品が揃った。

また同館では顕微鏡写真でプランクトンなどを撮影したクリスチャン・サルデ(Christian Sardet)の作品「PLANKTON漂流する生命の起源」を、坂本龍一のサウンド、高谷史郎の映像によるインスタレーションも行われている。

毎回、京都らしいスペースでメッセージ性の高い作品が展示される誉田屋源兵衛・黒蔵では今回クリス・ジョーダン(Chris Jordan)の作品展を開催。併せてデザイナーの故ヨーガン・レール(Jurgen Lehl)が晩年に過ごした石垣島で海岸に漂着したゴミで制作したランプのアッサンブラージュが出展されている。

昨年、ピエール・エルメ・パリとのコラボアートパッケージを制作、パリコレットでも作品が扱われ、BLICOLAGE PHOTOGRAPHYと呼ばれる作品を発表しているK-NARFは、現在活動の拠点としている東京代々木のアトリエを会場の村上重ビル地下に移設。5月8日までの開期中の16時から18時の間、会場に滞在し、作品を制作している。

祇園のASPHODELでは今回のオフィシャルスポンサーであるシャンパーニュメゾンのルイナール(Ruinart)のために、オランダを代表する写真家アーウィン・オラフ(Erwin Olaf)が撮ったモノクロの新作を初披露。同会場の3階では期間中ルイナール・シャンパーニュ・ラウンジが設置されている。

また、KYOTOGRAPHIEの開催されている5月22日まで、京都市国立近代美術館では、同館の所蔵作品を中心に企画された「オーダーメイド:それぞれの展覧会(ORDER & REORDER)」が開催されている。同企画展ピカソ、マティス、マルセル・デュシャン、ピエト・モンドリアン、フランシス・ピカビアなどとともに、マンレイ、ウォルフガング・ティルマンス、カレン・ノール、森村泰昌、野島康三、やなぎみわ、澤田知子の写真作品が展示。都築響一の『着倒れ方丈記』のプリントも展示されており、ゴールデンウィークの京都はファッション関連のアートイベントが充実している。

【イベント情報】
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016」
会場:京都市内15会場
会期:4月23日~5月22日

【イベント情報】
「オーダーメイド:それぞれの展覧会(ORDER & REORDER)」
会場:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
会期:4月2日~5月22日
時間:9:30~17:00 金曜日は20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
料金:一般900円、大学生500円、高校生以下無料
休館日:月曜日(5月2日は開館)

Text:野田達哉
野田達哉
  • 京都市美術館別館1階で行われている「Coming into Fashion-コンデナスト社のファッション写真でみる100年」
  • 四条木屋町下がるの村上重ビルBFではフランス人アーティストのK-NARF本人が在廊し、作品を制作
  • K-NARFのBLICOLAGE PHOTOGRAPHY
  • 京都市美術館別館2階で行われているクリスチャン・サルデの「PLANKTON 漂流する生命の起源」のインスタレーション
  • 京都市美術館別館2階で行われているクリスチャン・サルデの「PLANKTON 漂流する生命の起源」
  • 京都グラフィーのコンデナストのアーカイブ写真などの展示が行われている京都市美術館別館
  • 京都市美術館別館1階で行われている「Coming into Fashion-コンデナスト社のファッション写真でみる100年」
  • ASPHODELで行われている写真家アーウィン・オラフ(Erwin Olaf)が撮ったモノクロの新作
  • 祇園・縄手末吉町のASPHODELに設置されたルイナール・シャンパーニュ・ラウンジ
  • 祇園のSferaExhibitionで開催のアントニー・ケーンズ「LA-LV / LDN_ Process HARRIDAN AWARD 2015」展
  • 何必館・京都現代美術館で開催されている「サラ・ムーン 12345」展は6月26日まで開催
  • 何必館・京都現代美術館で開催されている「サラ・ムーン12345」展
  • アルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展が行われている建仁寺・両足院
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展では、今回のために作家自身が京都に滞在し、両足院で撮影された作品も出品されている
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展では、庭も展示に使用されている
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展では、庭も展示に使用されている
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展では、庭も展示に使用されている
  • 建仁寺・両足院で開催されているアルノ・ラファエル・ミンキネン(Arno Rafael Minkkinen)国内初の個展
  • 誉田屋源兵衛・黒蔵で開催されているクリス・ジョーダン(Chris Jordan)+ヨーガン・レール(Jurgen Lehl)の「MIdway:環流からのメッセージ」
  • 誉田屋源兵衛・黒蔵で開催されているクリス・ジョーダン(Chris Jordan)+ヨーガン・レール(Jurgen Lehl)の「MIdway:環流からのメッセージ」
  • ヨーガンレールのゴミのランプ
  • ヨーガンレールのゴミのランプ
  • ヨーガンレールのゴミのランプのアッサンブラージュ
  • 黒蔵で公開されているヨーガンレールのインタビュー映像
  • 誉田屋源兵衛・黒蔵
  • 新町綾小路下がるの京都市指定有形文化財の長江家住宅
  • 京都市指定有形文化財の長江家住宅
  • 長江家住宅で行われている古賀絵里子「トリャドヴァン」展
  • 長江家住宅で開催されている古賀絵里子「トリャドヴァン」展
  • 室町二条下がるギャラリー素形
  • ギャラリー素形で開催されているサラ・ムーン「Late Fall」展
  • 無名舎でのマグナムフォト/ 「EXILE-居場所を失った人々の記録」
  • 無名舎でのマグナムフォト/ 「EXILE-居場所を失った人々の記録」
  • 無名舎でのマグナムフォト/ 「EXILE-居場所を失った人々の記録」
  • 無名舎でのマグナムフォト/ 「EXILE-居場所を失った人々の記録」
  • 無名舎でのマグナムフォト/ 「EXILE-居場所を失った人々の記録」
  • 新町六角下がるの無名舎
  • 村上重ビルで行われているK-NARFの作品
  • サテライトイベントとして開催されている、東福寺の塔頭・栗棘庵で開催されているジャクリーヌ・ハシンク「View Kyoto!」展、同展は大徳寺の黄梅院でも併催されている
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