2人の優れたアーティスト、ポール・ローデンとヴァレリー・ルース(Paul Roden & Valerie Lueth)による、木版画工房・タグボート プリントショップ(Tugboat Printshop)。2006年からアメリカ・ペンシルベニアでその活動を開始させた2人は良き職人同士でありながら、実は夫婦でもある。
山や森林などの雄大な自然をテーマにした作品を中心に制作をしており、版の隅々まで彫り込み何重にも色を重ねて完成された作品は圧巻だ。木版画は長年鍛え上げられた職人による印刷技術で1枚ずつ刷られており、全ての行程が手作業により行われている。作品1枚に費やされる時間は絵の複雑さと重ねる版の数にもより、また複数の作品を同時進行で制作しているため正確には測れないが、おおよそ4から6ヶ月はかかるそうだ。
2人は、現代の印刷物からよりも古いものにインスピレーションを受けることが多いそうで、日本の浮世絵からも多大な影響を受けたそうだ。特にその題材と色使いにおける複雑さと遊び心に刺激されたようで、その影響は確かに彼らの作品にも活きているように思える。数ある手法の中で、木目や何百回の印刷にも耐えうる耐久性など木そのものの素材の特徴に惚れ込んで木版画を選んだという。また木版画はスクリーン印刷やデジタルプリントとは違った、くっきりと鮮やかな線画を表現できシャープな印象を与えてくれるところも気に入っている。
日本には数年前に夫婦で足を運んだそうで「一瞬一瞬が本当に楽しくて、いつかまた遊びにいきたいです!」と語ってくれ、かなりの好印象だったとコメントしてくれた。彼らの工房では作品の国外発送も受け付けており、過去に日本からの注文も何度か受けたという。価格は1枚1万円から5万円ほど。ウェブサイトで注文を受け付けている。
※本記事は (引用元: http://www.tugboatprintshop.com/) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。