SUN=SEN(サンイコールセン)
1. 今回のコレクションのテーマに加え、デザインにおいて大切にしていることを教えてください。
CENTERSTAGEで発表するのは「Everyday I think weird to exist」(存在することの奇妙さを毎日考える)。SS22は恐竜の絶滅と人間がテーマに、絶滅の物語をよりロマンチックに見ている。
コレクションでは脱構築的なコンセプトをベースに、同時にブランドの顔ともなっているマルチウエアデザインもいくつか取り入れている。配色やファブリックは変わらずデザインにおいて重視していて、SS22では、ベージュを含むパステルトーンがメインカラーとなっている。ちょっとした飾りとして面白いかな、と思いLEGOを使っているのも、見て欲しい。
2. コロナの収束後に向け、服に込めたメッセージを教えてください。
コロナは、いつもの暮らしを壊してしまった。遠くにいる友だちや家族とは会えない、インターナショナルなショーはキャンセルされ、何もかもバーチャルになってしまった。今年は毎日こんな急な変化が起きていて、気持ちは沈むし、生活への不安も募っている。だからこそ私たちの服を着て安らぎやリラックスできる空気を表現できればと思い、癒しを感じてもらえるようパステルカラーを使った。暮らしが破壊され、日常がもはや日常でなくなったとき、ブランドの「脱構築的」というコンセプトのように、壊し、想像し、それぞれの方法で組み合わせ、そして新しい希望を暮らしに見出したい。
3. ファッション業界、またご自身のデザインプロセスにおけるサステナビリティについて教えてください。SDGsに向けた取り組みがありましたら、それも含めてお願いします。
マルチウエアアイテムを製造する手法をいくつも発表してきたが、さらにシーズンを問わず着られる服を作りたい。また服を長く着ることで価値を高め、服の寿命を長くしたい。例えば、私たちのブランドには、ダブルスリーブデザインという人気の定番アイテムがある。長袖にも半袖にもなるので季節をまたいで着られる。香港だけでなく、世界を旅する人、寒暖差の激しい地域に住んでいる人にもぴったりだ。同時に、199S by Sunequalsenという新しいラインを展開している。「S」は「special」「sustainable」そして「sunequalsen」を表していて、このラインではTシャツにオーガニックコットンを使ったり、スウェットにウインドブレーカーからリサイクルした材料を使ったりしている。また、Tシャツをパーツに分けて展開し、好きな色を組み合わせて自分だけのTシャツを提供する試みもしている。
4. 香港マーケットの特徴、またここでブランド展開する利点と考えていることを教えてください。
香港市場はとても興味深い。とにかくいろいろなスタイルがあって、自分なりに着こなし、人のマネをしようとすることもない。香港の人々は、自分のスタイルに挑戦し、他の人に刺激を与えようとする。香港は順応が早い市場だ。
SUN=SENは、非常に明快で特徴のあるスタイルを持っている。ブランドの目標は、服を通して楽観主義的な感覚を世界に広げること。ショップに訪れる多くのお客様とは、ハッピーな何かが見つかるからショップにいるのが好きなんだという感覚をシェアしている。お客様は、コロナ禍の今は特に、以前のように自由に旅行することもできず、店に来てリラックスとハッピーなムードを味わいたいと言ってくれる。
5. 日本のマーケット、またファッションクリエイティビティについて感じていることを教えてください。
日本のファッション産業には、本当に感心している。生地からデザインまで、伝統的な職人技や天然素材を利用した染色技術から最新のサステナブルテクノロジーまでと、ファッション産業が川下から川上まで構築され、それぞれのプロが一丸となって非常にクリエイティブな製品を生み出している。日本には大好きなデザイナーが何人もいるが、非常にハイレベルのクラフトマンシップを有していて、パターンの技術など惚れ惚れする。
SUN=SEN(サンイコールセン)
2016年創業。エネルギッシュで遊び心あふれるブランドでコンセプトは「美しく楽しいデザイン」。創業以来、興味深いシルエットを提供してきたSUN=SENは、巧みなカッティングと精巧なディテールとでオートクチュールのようなストリートウエアブランドを目指す。
2016年創業。エネルギッシュで遊び心あふれるブランドでコンセプトは「美しく楽しいデザイン」。創業以来、興味深いシルエットを提供してきたSUN=SENは、巧みなカッティングと精巧なディテールとでオートクチュールのようなストリートウエアブランドを目指す。
>NEXT、WEATのインタビューに続く