健康志向が高まり、日本でも俄然注目を集めている“スーパーフード”。伊勢丹新宿店本館地下1階食品売場でも、スーパーフードを使った総菜やパン、スイーツなど、様々な食品が展開されている。一体スーパーフードとはどのようなものなのか。その魅力に迫ってみた。
日本スーパーフード協会の理事 を務める勝山亜唯美さんによれば、「スーパーフードとは、1980年代にアメリカやカナダの医師たちから広まったもの。ここ数年で世界的にもセルフメディケーションという考え方が定着し、食で自らを健康にして医者にかからない生き方をしようと、健康への意識が高まった。このことが、栄養価の高いスーパーフードへの関心に繋がったと言える。また、これだけブームとなったのは、マドンナやミランダ・カーといったハリウッドセレブたちの発信力も大きかった」と話してくれた。
スーパーフードの定義は、「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品、あるいは、ある一部の栄養・ 健康成分が突出して多く含まれる食品」である。ここ最近では、ミント属の植物である“チアシード”が話題となり、耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。
このほかにも、そばの実や味噌、抹茶などの古くから日本人に親しまれている食材も、実は“ジャパニーズ スーパーフード”として評価されている。これらは海外でも高く評価されており、特に抹茶は大ブームを起こしているという。勝山さんがおすすめするのは、スーパーフードの“スピルリナ”と“アマランサス”だ。
スピルリナは、美しい緑色 と海苔のような風味が特徴で、50種以上の健康・栄養成分を含み、スプーン一杯に鶏卵1/2個分のタンパク質、緑黄色野菜120グラムに相当するベータカロテンや鉄分が含まれている。アマランサスは小粒の雑穀で、白米に比べタンパク質は約2倍、カルシウムは約32倍、マグネシウムと鉄分は約12倍、食物繊維も 約15倍。そのずば抜けた栄養価の高さから“仙人の穀物”とも呼ばれているそうだ。
勝山さんは、「スピルリナはスムージーのほか、玉子焼きや味噌汁などの料理に混ぜてもおいしくいただけます。タイではコーヒーに入れますね。アマランサスは実は日本でも古くから食べられている食材で、ご飯はもちろん、パスタやサラダに入れてもOKです。海外ではスーパーやドラッグストア、ジューススタンドにも“グリーン”というカテゴリーがありますが、日本ではまだメジャーではないかもしれません。スーパーフードは少量で高い栄養価が採れるため、実は野菜よりもコストパフォーマンスが良いですね。小粒のものや粉末のものなどは持ち運びもしやすく、野菜よりも手軽に摂取できるため、これからもさらにメジャーなものへとなっていくでしょうね」と語る。
伊勢丹新宿店で紹介されているスーパーフードを使った食品では、柿安ダイニングの「スピルナとアボカドを練り込んだグリーンポテトサラダ 」(100グラムあたり400円)、なだ万厨房の「江戸甘味噌と白味噌を使った米茄子のチーズ味噌二色田楽(1個540円)」、デュヌ・ラルテの抹茶パ ン(1個)などで、勝山さんのおすすめだそうだ。
このほかにも、焼きおにぎりや太巻き、餃子、春巻きにジェラートなど、バラエティに富んだ食品が並ぶ。明日の健康を考えて、先ずはおいしくスーパーフードを取り入れてみるのはいかがだろうか。