バスローブやパジャマ姿で螺旋階段を降りて来るモデルたちは、メンズウェアが男たちの鎧だという言説をあざ笑うかのようだ。リラックスこそモダンラグジュアリーと言わんばかりに、ランウェイに敷かれたムートンの上を歩く。
フェンディ(FENDI)の16-17AWコレクションが1月18日、ミラノの同社ショールームで発表された。すべてがソフトでオーバーサイズ。コクーンシルエットのローブコートや太めのパンツ、ニットも手編みでサイズはゆったりとオフタートル。
ジャケットもゆったりしたボックスシルエットで、胸にはカートーンモチーフの吹き出しで「FENDI」のアップリケがあしらわれるなど、この数シーズン、テーマに用いられているユースカルチャーが継続。人気のバッグシリーズのピーカーブーやフェンディ・フェイスモチーフ、リュック、トレッキングシューズ風スニーカーなど、SNSのタイムラインを賑わしそうなキャッチーでポップなアイテムが続く。
カラーはブラウン、グレー、ブラック、ネイビーを基調にイエロー、レッド、ブルーが効果的に使用され、様々な年代のチェックがチェック・オン・チェックで提案。ファーに見えるウール、ウールに見せたファーなどの最先端なハイテク技術が素材に生かされている。
贅沢なレザーやファーのボリューム感と、そのアルチザンなテクニックはフェンディ家の3代目シルヴィア・フェンディがクリエイティブディレクターならではの贅沢さだ。
Text: 野田達哉