リック・オウエンス(Rick Owens)は、ブランド誕生20周年を記念して、ロンドンの百貨店セルフリッジズ(Selfridges)とのコラボレーションプロジェクト「The world of Rick Owens(リック・オウエンスの世界)」をスタートした。
この初コラボを祝して、リック・オウエンスと同ブランドのディフュージョンラインである「ダークシャドゥ(DRKSHDW)」の限定コレクションを発表。レザージャケットやTシャツ、スウェット、トートバッグなど、シーズンレスでユニセックスなスタイルのアイテムを幅広くラインアップ。そのすべてに、セルフリッジズのシグネチャーカラーである黄色で彩られた、リックのトルソーをモチーフにしたラベルを取り付けた。
これらのアイテムは1階のコンセプトストアや新設するショップインショップ、マンチェスター・エクスチェンジスクエア店、バーミンガム店にて販売。他にも、セルフリッジズのウェブサイトでも購入出来る。
プロジェクト期間中、オックスフォード・ストリートにあるセルフリッジズのメインエントランス頭上には、リックをモチーフにした彫刻を設置。これは長年にわたってコラボレーションをしてきたダグ・ジェニングス(Doug Jennings)などが20人がかりで製作したもので、全長は7mを超える。トーチを手に持ったデザインで、イベント期間中は1日12時間にわたって点灯。“The Queen of time”が15分おきにチャイムを鳴らすタイミングで、炎の勢いが増す仕掛けも用意されている。
更に、ショーウインドーではブランドのインスピレーションの源となったオペラ『サロメ』の世界が、原作者オスカー・ワイルドの言葉とリヒャルト・シュトラウスの音楽を用いて表される。そこには、サメロのフィナーレ“マリア”をデジタル処理し可視化したという、建築家のパトリック・タイ(Patrick Tighe)の作品である白い月面を展示。月面上には“サロメのリブレット”の引用句が記されている。
コンセプトストアではリックによるキュレーションを展開。デザイナー自身が手掛けた四つのショーウインドーと、日本のサウンドアーティストRyoji Ikedaによるインスタレーション「TEST PATTERN : LED VERSION」によって、リックの世界観を表現した。その他、ファニチャーやテーブルウエア、キャンドル、LPレコード、オペラフィルムなど、オウエンスがセレクトしたアイテムがレイアウトされた。
同プロジェクトに際し、セルフリッジズのバイイングディレクターであるセバスチャン・マネス(Sebastian Manes)は、「『The world of Rick Owens』はセルフリッジズにとって1人のデザイナープロジェクトとしては過去に例を見ない史上最大のプロジェクト。ファッションにおける主流を難なく飛び越えるリック・オウエンスをセルフリッジズが提案するファッションの最前線に押し出すことをとても楽しみにしている」とコメントしている。