ブロードウェイミュージカル 『CHICAGO』宝塚歌劇100周年記念OGバージョンの本番を前に、伊勢丹新宿店本館4階ウエストパークでは、作品CHICAGOをより楽しめるイベントを9月23日まで実施している。18日には出演者の元宝塚トップスター湖月わたると貴城けいを迎え、トークショーが開かれた。
トークショーにはこの日10時から開始した抽選の当選者のみが参加。進行はファションジャーナリストの生駒芳子が務めた。
作品では、湖月わたるがヴェルマ・ケリーを、貴城けいがロキシー・ハートを演ずる。既に本番に向けて稽古がスタートしているが、「CHICAGO」はやはり特別な作品だと両者は声をそろえる。振り付け家ボブ・フォッシーの世界観を忠実に反映するために、稽古着もすべて黒で統一。またOG版は先輩後輩が一同に介したキャストとなる。上下関係が特に厳しい宝塚だが、「今回集まったメンバーは非常に特別な存在で作品『シカゴ』ならではの一体感があり、ファミリー的な空気感が生まれていてとても楽しい」と貴城さん。湖月さんは「宝塚ならではの気質で、遅れをとる人を出さずに足並みをそろえて前に進んでいくという風習がこの現場にも色濃く出ていると思う」と話す。
イベントスペースでは、実際に使用される舞台衣装が展示されている他、湖月さんと貴城さんがセレクトした「シカゴ」観劇時に着てほしい服、またそれに合わせた小物を販売しており、トークショーには2人そろってこの中からセレクトしたアイテムをまとって登場。湖月さんは「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」の3ウェイワンピース、貴城さんは「エポカ(EPOCA)」の襟付きワンピースを着用。本企画のために3Dプリンターを使って作られたという赤いバラのアクセサリーをアクセントとして組み合わせた。観客が華やかであれば舞台も確実に盛り上がるそうで、貴城さんは、「キュートなロキシー風のものをセレクトした」と言い、湖月さんは「舞台に合わせたマニッシュなものから、観劇前に食事をしても楽に着られるワンピースまで幅広く選ばせてもらった」とコメントした。
伊勢丹でのイベントに関して質問が飛ぶと、両者共にプライベートでよく足を運ぶ場所だといい「探しているものが必ず見つかるので歩き回らなくて済むところがいい。新宿に来て伊勢丹にしか寄らないこともある。仕事着を探しに来たつもりがプライベートのものまで買ってしまうというパターンが殆ど」と貴城さん。湖月さんも「頻繁に足を運ぶ伊勢丹でイベントに参加するのは不思議な気分だ」と話した。
秋のスタイルについては「この秋は黒がくるということで今日履いて来たブーツ(ブラックとレッドの組み合わせで、ヒールにラインストーンを飾ったもの)やオレンジのバッグなど、アクセントになるものを買った。「『シカゴ』の世界に通ずるが、黒の着こなしには色や輝きでワンポイントを加えるのがいいと思う」と湖月さん。「この秋注目されているペンシルスカートやミモレ丈のスカートは持っていないので、ぜひチャレンジしたい」と貴城さんは言い、宝塚時代は男役トップスターということからプライベートでもパンツスタイルが多かったが退団後はイメージ刷新のためスカートを多く履くよう心がけているとのエピソードも吐露。
女性キャストのみの「シカゴ」は世界初でブロードウェイからも注目されているが、トークの最後に「シカゴ」の見どころについて尋ねられると、湖月さんは「フォッシースタイルは女性だけで演ずるのはとても難しい。それゆえに“女性だからこそ”生まれるものがある。それがまさに見どころで、その雰囲気を存分に味わってほしい」と話し、貴城さんは「ブロードウェイ作品を宝塚が演ずるのはこれまでに何度もあったが、今回はまさに宝塚がブロードウェイの世界に飛び込んでいくという感じ」と結んだ。
ブロードウェイミュージカル「CHICAGO」宝塚歌劇100周年記念OGバージョンは、11月1日から11月9日までは東京国際フォーラムC、12月10日から12月19日までは東京凱旋公演を同会場で決定している。大阪、愛知公演あり。
またイベント会期中には同店本館4階「ル サロン ジャック・ボリー」で、「シカゴ」をイメージした特別ケーキを用意(ドリンクとセットで3,000円)しており、この日のトークショーでお披露目された。フォンダンショコラにラズベリーシャーベットとラズベリーソース、レモンのコンフィを添えたプレートで、これを見た2人は「色合いといい、『シカゴ』の世界が反映されている」と感激。裏メニューのため表立ってメニュー表記されておらず、オーダーの際には“シカゴのケーキセット”とスタッフに伝えると、ワゴンに乗せて運んで来てもらえるという。トークショーのあとに実際にケーキを食した湖月さんと貴城さんは「絶品」言い、そろって早々と完食。「フォンダンショコラが熱いうちの焼きたてをぜひ食べてほしい」と話した。
2人はトークショーの終わりにイベント会場に飾られている「シカゴ」のバックボードにサインを書き、これには足を運んだファンも喜び、トークショー終了後に撮影する姿が多く見られた。