日本政府観光局(JNTO)とクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は業務連携に関する覚書を締結した。
この覚書は昨年の訪日外国人旅行者数が1,000万人という政府目標を達成し、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて訪日外国人旅行者数2,000万人が目標となる中で、外国人観光客の誘致及び世界的に人気の高い日本の魅力ある商材・サービスに関連する事業分野の海外展開や国際競争力の向上に向けた連携を強化し、その実現に向け協力して取り組むことを目的としたもの。
世界14都市に観光宣伝の拠点を持ち、インバウンド振興を進める日本政府観光局と日本の魅力の海外での事業化を進めるためのリスクマネーを日本企業に供給するクールジャパン機構が連携することで、日本の魅力の発信や各産業と地域経済の発展を推進する。
また、今回の連携は官公庁と経済産業省の支援により実現したもので、ビジットジャパンとクールジャパンをオールジャパンで推進する体制を構築し、観光関連産業だけでなく、メディア・コンテンツ、食・サービス、ファッション・ライフスタイルなど幅広い産業や地域産業にも波及させ、海外での日本ブランド形成にも貢献したい考え。海外で需要の見込まれる新規事業のプロジェクト案件をクールジャパン機構に紹介する他、JNTOの海外旅行博・セミナー・商談会・訪日PRイベントやクールジャパン機構の投資した海外でのジャパンモール、フードタウンなどの関連施設でクールジャパンとビジットジャパンのプロモーション連携などを実施する。
会見でJNTOの松山良一理事長は「観光を盛り上げていくにはオールジャパン体制が大切。日本のファンを作り、訪日してもらえるような連携になることを期待している」とあいさつ。クールジャパン機構の太田伸之社長は「できることはたくさんあると思う。先日パリのボン・マルシェで行われたル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ展のオープニングレセプションに参加して日本が注目されていることを実感した。1足す1が3になるような連携にしたいし、具体的な取り組みやオールジャパン体制が目に見えるような連携にしたい」と話した。
また、クールジャパン機構について「スピードが遅いのでは」という質問に対して、太田社長は「投資する案件は見えてきている。遅いとは思っていない。年内にはかなりの数の投資としてのプロジェクトを発表できると思うし、年度内には2桁の具体的な案件を発表するつもりだ」との考えを明らかにした。