「ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERME PARIS)」は、8月30日から期間限定で原研哉特別デザインパッケージ入り「イスパハン」を販売する。このコラボレーションと発売を記念したパーティーが、29日にピエール・エルメ・パリ 青山で開かれた。
ピエール・エルメ・パリを代表するケーキであるイスパハンは、ピンクがかった絶妙な赤い色合いや、バラの花弁を添えた美しい佇まいが印象的な逸品。そのケーキを包み込む原デザインの特別パッケージは、真っ白な色とホイップクリームのような滑らかな曲線を描くフォルムが特徴だ。「“パティスリー界のピカソ”と称される天才的な菓子職人ピエール・エルメとのコラボレーションのお話を頂き、不思議な縁のあるオファーだと思った。情熱的な赤いケーキ“イスパハン”に魅入られ、専用の容器を作ろうと出来上がったのが3パターン。この3パターン全てを商品化したいという提案が実現した。原型は粘土で作成し、手と指先だけで決めていく直感的かつ官能的な仕事だった」と原氏はコメント。
赤いケーキを白い容器に入れるという発想においては、「エルメは赤を強調する。一方で『白』は私にとって他の色とは次元の違うときめきを感じさせる色で、デザインを鮮烈に際立たせる役割があると考えている。言えば赤はフランス、白は日本。今回は私とエルメであり、日本とフランスのコラボのようなもの」と話す。このコラボパッケージは、先立って今年2月にパリで1,500個限定で販売したところ人気を博したという。また、「何とか東京でも出したいとの思いが今回叶いとても嬉しい」と氏は喜びを語った。
2015年まで仕事の依頼が詰まっているという原氏だが、今後の展望について「いつか日本の半島のような僻地で、最高級のホテルのデザインディレクションをやってみたいと考えている。建築、食、インテリアなどあらゆるものが複合し、様々なコミュニケーションの場となっている空間を0から作り上げてみたい」と話した。
ピエール・エルメ・パリのアジア支部代表リシャール・ルデュ(Richard Ledu)氏は、「ピエール・エルメ・パリは、私たちスタッフが楽しまなければお客様に良いものを提供出来ないという考えのもと、これまでの15年、これからのブランドの歴史、300年のためにお客様を満足させる様々なコラボレーションやイベントを仕掛けている。コラボのオファーをしたあとは、パートナーへの尊敬の意も含め一切その後口出しをしない。原さんはデザインにおいて大先生なので、安心してお任せした。パッケージはシンプルでありながらも日本の文化が感じられる紙素材を使った、とても素晴らしいものとなった」
原直筆のサインと通し番号を付けたパッケージコレクションは、1セット1,750円で、10月2日までピエール・エルメ・パリ 青山で販売。同店では原監修のディスプレイでショーケースを飾る。またピエール・エルメ・パリ 松屋銀座でも、9月9日から15日の1週間限定で同コレクションを販売する。