プラダ(PRADA)の広告キャンペーン「365」から、二つの新たなプレフォールコレクションのシリーズが発表された。
広告キャンペーン「365」は、シーズンを通して多次元的な世界を複数のストーリーを通して表現する、プラダが取り組むファッションキャンペーンの新たなアプローチ。撮影はベルギー出身のフォトグラファー、ウィリー・ヴァンデルペール(Willy Vanderperre)が手掛けている。
プレフォールコレクションをランウェイから切り離して再解釈した「Encounters(出会い)」には、コレクションのニューフェイスであるモデルのセレーナ・フォレスト(Selena Forrest)、クリス・グリカイテ(Kris Grikaite)、ニナ・グリエン(Nina Gulien)を迎え、曖昧でありながらも純粋な出会いのシーンが捉えられている。写真の中で彼女たちは、誰のものでもない誰かの家に佇み、リラックスした表情を見せている。暖炉がある部屋の床に横たわったり、何をするでもなくふと椅子から立ち上がったりと、極めて普通のリハーサルされていない環境の中で発生したリアルな瞬間がカメラに収められた。それは単にリアリティーを表現しているのではなく、コレクションの核となる現実性や誠実さといったインスピレーションの源にも迫るものだ。
一方、女優のジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)を主役に据えたストーリー「Parallels(平行)」では、モダニストの家の中と外のシーンからなるリアルな空間を舞台に、力強さと親密さを表現。ジェシカ・チャステインの圧倒的な表現力により、これは彼女自身のポートレートなのか、それとも役柄なのかという疑問さえも抱かせる、リアリティーとファンタジーとが平行に存在するビジュアルが完成した。彼女が纏っているのは、プレフォールコレクションのキーアイテム。繊細なフローラル刺繍が際立つモヘアカーディガンやレトロな表情のハンドバッグが、まるで映画のワンシーンのようにクラシカルな華やかさ添えている。カラフルでありながら、どこか懐かしいぬくもりを感じさせるプラダらしいビジュアルに仕上がっている。