畳を大胆に使用しデザインされた家具シリーズ「タタミ・テーブル(Tatami Tables)」。これらはデザイナー、ナダ・デッブス(Nada Debs)によるものだ。鮮やかなグラデーション塗装が施された畳と木材を組み合わせ作られた同シリーズは、ベンチとして使えるほかテーブルとしても活用可能で自身のライフスタイルに合わせて楽しむことができる。
制作者のナダは、中東・レバノンを母国としながら日本で育ち、その後アメリカ、イギリスと移りキャリアを積んだユニークな背景を持っている。アメリカではデザインを学び、イギリスでは家具のデザイン・制作会社を設立。しかし彼女の魂がそうさせたのか、レバノンに呼ばれたのか、母国へ戻ることを決心したそうだ。ナダがレバノンのベイルートに戻って気付いたのが、現代の中東に合わせたデザインの施された家具が全くと言っていいほどないということだった。彼女はイースト&イースト(East & East)と名を冠した会社を設立し、次々と東洋の伝統とミニマリズムを融合させたプロダクトを生み出している。
コンテンポラリーデザインを通して東洋のクラフトマンシップを讃えることをミッションとするナダとイースト&イーストは、プロダクトに心を込め手作りで生産をすることにこだわっている。中東の職人の高い技術と新しい素材を組み合わせることで強力なデザインを生み出せると信じているそうだ。「タタミ・テーブル」シリーズは、ナウアンドゼン(Now and Zen)コレクションの中に位置するプロダクトで、このコレクションには他にも着物の柄をイメージしたようなスツールなど和を感じさせるものがそろっている。ナダの作品たちは今年のミラノ・デザインウィークにも出品され話題となった。
※本記事は (引用元: https://www.nadadebs.com/) に許可を得て、執筆を行っております。