迪化街(ディーファージェ)は、台北で最も古いとされる問屋街。干しエビやふかひれ、からすみ、漢方薬、中国茶、ドライフルーツなどを扱う、創業100年を超える老舗が軒を連ねます。また最近では古びた建物をリノベーションしたカフェやレストラン、台湾の現代アートを扱うショップなどセンスある店主の店が増えて、新旧が交差する興味深い街になっています。東京の東日本橋から蔵前にかけてのレトロとモダンが織りなす問屋街みたいだなと感じます。
老舗乾物屋と今どきカフェが交差する問屋街
南京西路あたりから迪化街一段という通りを歩きはじめます。乾物問屋の横におしゃれなカフェやお土産屋など、歩いているだけで楽しめる界隈。しばらくすると布市場として有名な「永楽市場(ヨンラシーチャン)」に出くわします。市場や周辺には、赤や水色の花柄で知られる台湾花布を扱う生地店、レースやチロリアンテープ専門店など、ハンドメイド好きが狂喜する手芸店が集まっています。鮮やかな色使いや紋様の美しさが魅力的な台湾の原住民族柄チロリアンテープは手芸好きの友人のツボを激しく刺激。「あれもこれも」と大量に買い込んでいました。
ポップな色柄も多い台湾の原住民族柄のチロリアンテープ
永楽市場の横は多くの人で賑わう「霞海城隍廟(シャアハイチャンホワンミャオ)」。祀られている恋愛成就の神様「月下老人」に願掛けする人でいっぱいです。廟内でお菓子とお線香をいただき、それを月下老人にお供えします。月下老人に参拝する際には、「相手の外見や性格(好きな人がいる場合はその人を、いない場合は理想の人を)」を詳しくお伝えするそう。そのため誰もが長めな参拝に。信じるモノは救われます、きっと。
多くの男女の願いを叶えてきた「月下老人」
アートギャラリーをのぞき日用品の店でお買い物
長めな恋愛祈願を終えて、さらに進むとユニークなペーパークラフトを発見!誰が作っているのか気になり、飾っているアートギャラリー「典化文化藝術(ディェンファウェンファイーシュ)」で尋ねてみると、ペーパーデザイナーのKain Changさんが企画したPEPAKURAというアートと教えてくれました。パンダ、鳥、鹿、猿、熊など10種類ぐらい展開していて、作る楽しみがあるインテリアグッズとして人気だそう。台湾ではお葬式時に、紙銭(天国で使うお金)や紙で精巧に作った故人の家や車などを燃やして供養するという昔からの習慣があります。そんな習慣がポップなPEPAKURAアートへとつながっているのかもしれません。
ディフォルメ感がちょうどいいPEPAKURAの動物シリーズ
迪化街には、ざる、蒸籠、ビニール製バック、鉄のフライパンなど日用道具を扱う店があります。いつも見るだけのつもりが、つい買ってしまう「永興農具工廠(ヨンシンノンジュゴンチャン)」。ここは名前のように鍬や鎌などの農機具、木製の台所道具や鉄鍋、籠やザルなどを扱うお店です。買いやすい値段ながら品質のよい日用道具が多く、あれこれ買い込んでしまいます。今回は、曲げわっぱのお弁当箱と木製トレイ、そして木製スプーンを連れて帰ってきました。
永興農具工廠で購入したお弁当箱、木製トレイやスプーン。使い勝手がいい!
ちなみに問屋街では、多くの店が現金支払いのみ。お買い物好きさんはお財布の中身を確認してからお出かけくださいね。
次回は、地下鉄で出掛ける温泉や海辺をぶらりします。
>>【vol.1】 台北の朝ごはんから小龍包、スイーツまでローカルフードを食べ歩き
>>【vol.2】台北の朝市をぶらり。台湾に来たら必ず購入したい“乾麺”はお土産にオススメ
>>【vol.4】台北駅から地下鉄で30分の日帰り温泉と、海辺のブックカフェをぶらり
>>【vol.5】台湾の南国でパパイヤジュース!台南のレトロな街並みとリノベ建築をぶらり
<DATA>
永楽市場 台北市迪化街1段21
霞海城隍廟 台北市迪化街1段61號
典化文化藝術 台北市迪化街1段178號
永興農具工廠 台北市迪化街1段288號
*掲載データは2017年3月のもの。詳細はお確かめください。
取材・撮影/森 有貴子
江戸と現代を道具でつないだ著書「江戸な日用品」(平凡社)が、2016年5月に台湾翻訳版「江戸日用品」(日月文化出版)として出版。自著の発売後、初めて訪れた台湾にどっぷりとはまり、それから頻繁に訪台中。台湾熱のおかげで一度挫折した中国語意欲が復活、今春は台北の大学にプチ留学も。
老舗乾物屋と今どきカフェが交差する問屋街
南京西路あたりから迪化街一段という通りを歩きはじめます。乾物問屋の横におしゃれなカフェやお土産屋など、歩いているだけで楽しめる界隈。しばらくすると布市場として有名な「永楽市場(ヨンラシーチャン)」に出くわします。市場や周辺には、赤や水色の花柄で知られる台湾花布を扱う生地店、レースやチロリアンテープ専門店など、ハンドメイド好きが狂喜する手芸店が集まっています。鮮やかな色使いや紋様の美しさが魅力的な台湾の原住民族柄チロリアンテープは手芸好きの友人のツボを激しく刺激。「あれもこれも」と大量に買い込んでいました。
ポップな色柄も多い台湾の原住民族柄のチロリアンテープ
永楽市場の横は多くの人で賑わう「霞海城隍廟(シャアハイチャンホワンミャオ)」。祀られている恋愛成就の神様「月下老人」に願掛けする人でいっぱいです。廟内でお菓子とお線香をいただき、それを月下老人にお供えします。月下老人に参拝する際には、「相手の外見や性格(好きな人がいる場合はその人を、いない場合は理想の人を)」を詳しくお伝えするそう。そのため誰もが長めな参拝に。信じるモノは救われます、きっと。
多くの男女の願いを叶えてきた「月下老人」
アートギャラリーをのぞき日用品の店でお買い物
長めな恋愛祈願を終えて、さらに進むとユニークなペーパークラフトを発見!誰が作っているのか気になり、飾っているアートギャラリー「典化文化藝術(ディェンファウェンファイーシュ)」で尋ねてみると、ペーパーデザイナーのKain Changさんが企画したPEPAKURAというアートと教えてくれました。パンダ、鳥、鹿、猿、熊など10種類ぐらい展開していて、作る楽しみがあるインテリアグッズとして人気だそう。台湾ではお葬式時に、紙銭(天国で使うお金)や紙で精巧に作った故人の家や車などを燃やして供養するという昔からの習慣があります。そんな習慣がポップなPEPAKURAアートへとつながっているのかもしれません。
ディフォルメ感がちょうどいいPEPAKURAの動物シリーズ
迪化街には、ざる、蒸籠、ビニール製バック、鉄のフライパンなど日用道具を扱う店があります。いつも見るだけのつもりが、つい買ってしまう「永興農具工廠(ヨンシンノンジュゴンチャン)」。ここは名前のように鍬や鎌などの農機具、木製の台所道具や鉄鍋、籠やザルなどを扱うお店です。買いやすい値段ながら品質のよい日用道具が多く、あれこれ買い込んでしまいます。今回は、曲げわっぱのお弁当箱と木製トレイ、そして木製スプーンを連れて帰ってきました。
永興農具工廠で購入したお弁当箱、木製トレイやスプーン。使い勝手がいい!
ちなみに問屋街では、多くの店が現金支払いのみ。お買い物好きさんはお財布の中身を確認してからお出かけくださいね。
次回は、地下鉄で出掛ける温泉や海辺をぶらりします。
>>【vol.1】 台北の朝ごはんから小龍包、スイーツまでローカルフードを食べ歩き
>>【vol.2】台北の朝市をぶらり。台湾に来たら必ず購入したい“乾麺”はお土産にオススメ
>>【vol.4】台北駅から地下鉄で30分の日帰り温泉と、海辺のブックカフェをぶらり
>>【vol.5】台湾の南国でパパイヤジュース!台南のレトロな街並みとリノベ建築をぶらり
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永楽市場 台北市迪化街1段21
霞海城隍廟 台北市迪化街1段61號
典化文化藝術 台北市迪化街1段178號
永興農具工廠 台北市迪化街1段288號
*掲載データは2017年3月のもの。詳細はお確かめください。
取材・撮影/森 有貴子
江戸と現代を道具でつないだ著書「江戸な日用品」(平凡社)が、2016年5月に台湾翻訳版「江戸日用品」(日月文化出版)として出版。自著の発売後、初めて訪れた台湾にどっぷりとはまり、それから頻繁に訪台中。台湾熱のおかげで一度挫折した中国語意欲が復活、今春は台北の大学にプチ留学も。