木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、ロバート・フランクの『Robert Frank: Books and Films,1947-2016』。東京・恵比寿の東京都写真美術館内にあるミュージアム・ショップ、NADiff BAITEN(東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内 東京都写真美術館2F)によるご紹介です。
■『Robert Frank: Books and Films,1947-2016』ロバート・フランク
本書は、世界50都市で巡回中の「Robert Frank: Books and Films,1947-2016」の展覧会カタログである。10都市目として日本では東京藝術大学大学美術館 陳列館で展覧会がおこなわれ、2週間で1万人以上もの動員を記録した。
「この展覧会の原案をロバート・フランクが耳にしたとき、彼はこう言った。
『安くて、素早くて、汚い。そうこなくっちゃ!』(ロバート・フランク)」
20世紀を代表する写真家、ロバートフランク。世界で最も有名な写真集のひとつ「Americans」を発表した彼は、写真界・アート界に大きな影響を与え、以降も写真や映像、テキストを駆使し独自の表現を追求し続けている。しかし現在、彼のオリジナルプリントは非常に繊細な扱いが求められるため、そのほとんどが公開されておらず、それに対しフランクは、「もっと若い世代の目に触れる機会を増やしたい」と考えていた。こうした現状を背景に企画されたのが、「Robert Frank: Books and Films,1947-2016」だった。
それは、ドイツの出版社Steidl社の創業者ゲルハルト・シュタイデル氏の協力のもと企画され、主に大学や教育機関を会場とし、廉価な新聞紙に印刷された写真が会期終了とともにパフォーマンスによって破棄されるという、従来にはないスタイルの展覧会であった。
本書はカタログとして機能するだけでなく、壁に直接ディスプレイするなど、気取りなくフランクの写真をたのしむことも出来る、彼の様々な想いの詰まった1冊。
4月29日からロバート・フランクのドキュメンタリー映画『Don’t Blink ロバート・フランクの写した時代』がBunkamuraル・シネマほかより全国で上映され、写真美術館の店舗でも連動したフェアを開催中。
【フェア情報】
「BEATNIK BOOK FAIR」
場所:東京都写真美術館ミュージアムショップNADiff BAITEN
【書籍情報】
『Books and Film, 1947-2014, “Suddeutschen Zeitung”』
著者:
発行元:Steidl
404×275mm/64ページ/輪転印刷(新聞紙)
発刊:2016年8月
価格:税込1,188円
動画引用元: (オフィシャルYouTube:
https://youtu.be/kIJOkkpLdxM)