先月、東京・裏原宿の4ヶ所の壁に大きなグラフィティーアートが登場し、話題になっている。手掛けたのは、世界的に活躍するグラフィティーアーティストのスティーブン・パワーズ(Stephen Powers)。“看板屋”として、街にアートを広める壁画プロジェクト「A Love Letter for You」を世界の街で展開している人物だ。
現在東京・原宿のギャラリーターゲットで開催中の日本では初となる個展「TODAY IS ALREADY TOMORROW」に先駆けて来日。原宿通りのブロック塀と、キャットストリート沿いの田辺マンションのシャッター、そして、「ブックマーク(BOOKMARC)」「マーク バイ マーク ジェイコブス(MARC BY MARC JACOBS) 原宿」の壁をキャンバスに、作品を描いた。
4月18日にブックマークで新作作品集『A LOVE LETTER TO THE CITY』のサイン会を行ったパワーズ氏。今回のプロジェクトについて、「近隣の方の意見を聞きながらプロジェクトを進めて行くのは大変だったが、なぜ壁に描くのか説明すると、共感してもらうことができ、皆さんの支援によって実現することができた。僕が絵を描いているのを不思議そうに眺める子供に、『(あの人は)日本にとってすごく素敵なことをしてくれているのよ』と説明している人がいて、とても感銘を受けた」と話す。
また、日本を気に入ってくれたようだ。「いつも人との対話からテーマを見つけることが多いが、今回日本からもたくさんのインスピレーションを受けて、(日本に到着してから)8日間眠れていないくらい。日本人がそれぞれ自分の仕事に誇りを持って取り込んでいるところにとても感化される」。そんな日本への想いは、一番大きな作品に描かれるメッセージ「NOW IS FOREVER」に込めたという。
ブックマークから始まったこのプロジェクト。昨今増えている街中の落書きへの対策としても期待されている。