H&Mは4月10日、サステイナブル素材を使用した「コンシャス コレクション(CONSCIOUS COLLECTION)」と「コンシャス エクスクルーシブ(CONSCIOUS EXCLUSIVE)」を発売する。それに先駆け、コレクションのローンチと古着回収の1周年を祝したパーティーを4月8日に東京・表参道のバツ・アート・ギャラリー(BATSU ART GALLERY)で開催した。
会場では、コンシャス エクスクルーシブの新作とアーカイブを展示。道端ジェシカらモデル達も新作をまとって来場し、フラワーインスタレーションやライブパフォーマンスを楽しんだ。
この日のために、同社のコンシャス活動のスポークスパーソンであるカタリナ・ミッドバイ(Catarina Midby)氏も来日。「工場と共に新素材の開発を進め、今季は特にオーガニックシルクやオーガニックレザー、バンブー繊維からなるモノセルなどサステイナビリティーによりこだわった素材を採用した。H&Mにファッションを求めてやってくる人のため、ファッション性についても妥協することはなく、デザインにもとことんこだわった」と話す。
H&Mでは“サステイナビリティー(持続可能性)”をビジネスの理念とし、ファッションの未来をよりサステイナブルなものにするため活動を「コンシャス活動」と名付け、数々のプロジェクトを推進してきた。昨年ファッション企業では初となる世界規模での古着回収をスタート。H&Mだけでなくすべてのブランドの衣料を対象に、これまでに全世界で3,000トンを回収した。中でも日本ではトップクラスの338トンを記録し、日本人のリサイクル意識の高さを窺わせる結果となったという。
また、衣料品のライフサイクル全体を通じて環境への負担を減らすことにも努め、事業全体の二酸化炭素排出量の低減や、WWFとの協業による世界規模での水戦略なども実施している。今回、衣料品の生産から破棄までの期間で最もエネルギーが排出されるのは洗濯やクリーニングなどを繰り返す購買後の着用期間だということを突き止め、環境に配慮した洋服のケア方法を伝える「クレバーケア(CleverCare)」ラベルをスイスのジネテックス(Ginetex)社との協業により新たに導入した。現在、H&M商品の30%にこのラベルが付けられており、年内に100%を目指す。
「1947年の創業時より、H&Mは次の世代へと繋ぐ長期的な観点での事業展開を追求してきており、コンシャス活動の取り組みはこれに由来するもの。やればやるほど新しい課題が出てくるが、工場の人々も情熱を持って協力してくれている。すべてのコンシャス活動が企業や業界の壁を越えて世界中の人々の間で“当たり前”のものとなることが私達の目標」とミッドバイ氏。