全日本空輸(ANA)グループは1万3,000人のフロントスタッフの制服を今年の冬に一斉リニューアルする。それに先駆けて4月24日に新制服の発表を行った。
ANAが制服を変更するのは10年振りのこと。今回デザインを担当したのはミシェル・オバマ米国大統領夫人や英国王室のキャサリン妃などの衣装を担当し、現在はニューヨークで活動中のプラバル・グルン(Prabal Gurung)。ANAの制服では初の外国人デザイナーの起用となる。
新制服は「喜び」「情熱」「わくわく感」がキーワードの、グレーを基調としたエレガントな雰囲気。ANAを象徴する青のラインを袖やバックスタイルに採り入れている。また、乗客が航空機を利用する一連の流れを想定し、全体として統一感を持たせながらも、対応するスタッフごとに個性を演出している。
フライトアテンダントの女性向け制服ではジャケットとスカートの背面に“ブルーライン”をあしらったほか、男性もグルンがデザインするANAカラーのネクタイを着用。ANAの高品質なサービスを想像させるエレガントなイメージを追求した。
女性の地上旅客スタッフはブラウス姿とエプロン姿のそれぞれの着こなしを用意。7分袖のブラウスはツイード柄でフェミニン。一方、エプロン姿は女性らしいラインを強調するドレス調のデザイン。ベスト姿では丸襟となり、腰ポケットにタックを取って柔らかな印象に。ジャケット姿では襟元にブルーラインを配してANAらしさをアピールした。男性スタッフは動きやすさを重視し、ボタンダウンのシャツを着用。ジャケットはポケットのデザインで、フライトアテンダントとの差別化を図った。
ANAの取締役会長である伊東信一郎氏は「五つ星のエアラインにふさわしく、グルン氏には世界の息吹を感じる素晴らしい制服をデザインしてもらった」とコメント。常務取締役の河本宏子氏は「“挑戦”をキーワードに、新制服には変化し続けるANAを感じてほしい」と話す。
会場にはANA所属のフィギュアスケート選手である羽生結弦も飛行機の中から登場。フィギュアのポーズを決めながらタラップから降り立った。競技会での移動にはANAの飛行機を使うことも多いという羽生氏は、「これまでの制服に馴染みがあったのですが、ずいぶん印象が変わった。ブルーラインが目を引くので、一目見ただけで忘れられなくなるような制服だと思う」と語った。