株式会社スタートトゥデイの新しいサービス「WEAR(ウェア)」が10月31日よりスタートする。バーコードスキャン機能を活用したリアル店舗とオンラインストアを融通させるO2O(オンライン・トゥ・オフライン)の新展開として、5月にツイッターで前澤友作・スタートトゥデイ社長が発表して以来、アパレル、大手商業施設、ECを巻き込んで話題を集めている。
バーコードスキャン機能はユーザーにとって購入時の判断材料が増え、ブランド(販売者)側にとって販売機会損失の低減につながると同社は謳う。アプリに欲しい商品がスキャンされて履歴として保存されることで、ユーザーのwantリストに残るということだが、リアル店舗とEC上の在庫をユーザー自身が確認できることで、販売ロスを防ぐという利点もある。ユナイテッドアローズなど、店頭とECのデータのフラット化を進めている企業にとっては、この機能は確かに顧客にもブランドにも“価値”があるプラットフォームとなる。
しかし、業界を震撼させたのはスマートフォンを利用したバーコードスキャンというユーザーの新たな検索行動だ。店頭でこの行為が普通になれば、実店舗で商品は買われなくなるのではと、小売店は危機感を募らせる。ショールーミングが加速するという懸念があちこちで話題になった。11月8日からパルコ4店舗での実験的な期限付き導入が10月17日に発表されたが、それまではルミネの新井良亮社長の「WEARには参加しない」というコメントが大きくクローズアップされ、大手商業施設との共生の難しさが論議の的となった。
「バーコードスキャン機能はWEARの持つひとつの機能であって、バーコードスキャン自体が(リアル店舗で)広がらなくても、それ以外の部分でユーザーは広がっていくと考えている。大手商業施設のデベロッパーも(WEARの)ユーザーが何百万人、何千万人になれば、そのサービスを使わない手はないと考えるであろうし、あまりバーコードスキャンの普及は焦っていない」と前澤友作社長は、この新しいサービスに自信を見せる。
前澤社長の言う「WEAR」の持つ機能とは大きく3つ。バーコードスキャン機能、コーディネート検索(コーディネートレシピ機能)とクローゼットの整理機能(マイクローゼット機能)だ。そしてさらにそれをSNS機能でシェアすることができる。
(vol.2に続く)