「SICF14」のグランプリ、塩見友梨奈の個展がスパイラルで開催

2013.10.25

今年5月に開催されたアートフェスティバル「SICF14(スパイラル・インディペント・クリエーターズ・フェスティバル14)」でグランプリに輝いた塩見友梨奈の東京での初個展『2780』が東京・青山のショウケースで25日より開始した。27日まで。

塩見は1987年奈良県生まれ。2012年に京都造形芸術大学院修士課程を修了。同年に「ULTRA AWARD 2012」の優秀賞、2013年には「京都府美術工芸新鋭展2013・京都美術ビエンナーレ」の選抜部門で大賞も受賞している。今回の個展のタイトル『2780』は塩見自身の出生体重であり、胎児の重さから着想を得た新作が並ぶ。

「SICF14」で塩見は、多重人格障害者であるビリー・ミリガンをモチーフとした作品『首吊りビリー』を出展。24の手が1本の鎖で吊るされており、前方のファスナーを閉じると内側は真っ暗になる。中に入ることで、複数の人格の中に閉じこもってしまったビリーの”孤独”を感じることができる。

スパイラルのチーフキュレーター岡田勉氏は彼女の作品について、「人々を中に誘導するインタラクションはコンセプトが明快。自由な発想で新たな価値創出に意欲的な点にも可能性を感じた」とコメントしている。

SICFは、時代を担うクリエーターの発掘と支援を目的として2000年にスタート。さまざまなジャンルから100組のクリエーターを選出し、毎年ゴールデンウィーク期間中、スパイラルホールで紹介している。


イベント情報】
SICF14 グランプリアーティスト
塩見友梨奈『2780』
会場:ショウケース
住所:東京都港区南青山5-6-23スパイラル1階
会期:10月25日から27日
時間:11:00から20:00
入場無料
Maki Ushitora
  • SICF14グランプリ受賞作『首つりビリー』(2013年)
ページトップへ