「ジェニーファックス(JennyFax)」の14SSコレクションショーは、大きなリボンを天女のようにまとった、美少女が描かれたTシャツとシースルーのパンツ姿のルックからスタート。イラストは、美人画で知られる台湾人イラストレーターの作品。
毛糸を蜘蛛の巣のように絡めて作ったトップスや、フリルやリボンがあしらわれたビッグサイズのビニル製パンツやジャンプスーツ、マイクロミニ丈のプリントワンピース、少女漫画の主人公のようなイラストが描かれたTシャツなど、ガーリーなモチーフを用いながら、どこか毒やアイロニーを感じさせるデザインはジェンファンならでは。
14歳の時に故郷を出て、外国を転々としてきたデザイナーのシュエ・ジェンファンは、「自分のホームタウンがどこなのか分からなくなった感じ」をこのコレクションに込めたという。茶色く汚れたようなモデルのメイクは、子供の頃に泥んこになって遊んだ記憶から。1度ショーがフィナーレを迎えたと思わせて、また同じ音楽で別のショーがスタートするという演出は、”追憶=リピート”というキーワードが表現されている。