「アライサラ(arai sara)」は17日、14SSコレクションを発表した。デザイナーは荒井沙羅。明治記念館の松の木が生える日本庭園にて、折しも十三夜の月が幽光を発する夜、14SSテーマ「幻想曲」が42体で奏でられた。
麻のように張りのある硬めの生地に風でなびく柔らかい生地、といった異素材の組み合わせが展開された今回。鮮やかなグリーンとブルーに黒を組み合わせた配色の、直線的なシルエットが中心のコレクションとなった。また、青や緑や黄色の淡いグラデーションが入った生地に、黒でひまわり柄をプリントしたサテンやシフォンも登場。「ぼかしの曖昧な美しい色は機械仕事の方が繊細に出るので機械で染め上げた。そこへ深みと立体感を表現できる職人の手捺染によってひまわり柄を染めた」と荒井。こだわりは染めだけでなく生地にも。白や黒のジャケットなどは和紙100%。張り感ある「和」な風合いで通気性が良く、洗濯もアイロンも可能な素材。グリーンやブルーのジャケットなどは和紙とシルク半々の混紡。シースルー素材のアイテムはウールだ。
「人類が進化させてきた機械技術と昔から存在する伝統の技術を融合させたものを提案した。前シーズンに京都で機械技術と手捺染の職人技術を両方扱う工場と出合い、“機械もの=大量生産”といった認識を改めた。音楽をステレオで聴くこともあればオーケストラで聴くこともあるのが今という時代。“自然と人工”といった境界線をなくした生活の中にある、そういった優雅な時間のイメージを『幻想曲』というテーマに込めた」と語った。