木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、『鹿児島睦の本』。愛知・名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)によるご紹介です。
■『鹿児島睦の本』
2002年から本格的に陶器の制作を始め、植物・動物モチーフの図案を施した器で多くの人々を惹きつける、陶芸家・鹿児島睦(かごしま・まこと)の器作品をまとめた作品集『鹿児島睦の器の本』が刊行された。
本書は、「記録に残してしまうと、次に制作するときにそれを真似したくなってしまう」という理由でこれまでほとんど写真に残されてこなかった、初期作品から最新作までの器作品約260点を収録。本書の刊行にあたり世界各地の所有者20人を訪ねて 1 点ずつ撮りおろされた、貴重な記録である。持ち主のコレクションごとに構成され、個性が感じられるセレクトや使い方、魅力の感じ方にも触れた内容となっている。巻末のインタビューでは、陶芸家になるまでの経緯や普段の過ごし方、作陶に対する考え方や持ち主となる方々への想い等が語られており、鹿児島氏の人柄も垣間見ることができる。
デザインは、「鹿児島睦の図案展」(dionel・青山)のアートディレクションや、ZUAN & ZOKEI アイテムのプロダクトデザインでも関わりのある前田景氏が担当した。
鹿児島氏は、フィンランドのテキスタイルメーカー「ラプアン カンクリ(LAPUAN KANKURIT)」とコラボレートもしていることから、ナディッフ愛知では、愛知県美術館「フィンランドデザイン」展(4月7日~5月28日)の会期中、鹿児島睦フェアを開催。本書の他、ステーショナリー、ファブリック、食器、書籍『Makoto Kagoshima Ceramics』(2017年/Chriots on Fire)等を展開する。
【書籍情報】
『鹿児島睦の本』
器・オブジェ: 鹿児島睦
編集:保田美樹子、高橋美礼
発行元:美術出版社
言語:日本語
ソフトカバー/168ページ/182×257mm
発売:2017年2月10日
価格:2,800円
【展覧情報】
「フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン展」
会場:愛知県美術館
住所:知県名古屋市東区東桜1-13-2
会期:2017年4月7日~5月28日
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
料金:一般1,200円、高校・大学生900円、中学生以下無料
休館日:月曜日