1960年代メディアアートとポップアートのパイオニアとして知られるドイツ人アーティスト、トーマス・バイルレ(Thomas Bayrle)による「モニュメンツ・オブ・トラフィック(Monuments of Traffic)」展が東京・表参道のエスパス・ルイ・ヴィトン東京にて開催されている。9月1日まで。
展示構成はバイルレ自身が担当。ミニマルに抑えられた空間には、交通量の増量による自然破壊や事故といったシリアスなテーマをユーモラスに表現した作品達が並ぶ。
会場の中央に設置されたのは、本展のために制作された新作「指揮者(Conducteur)」。アウディ車のワイパーで構成されたこの作品からは、エリック・サティの「家具の音楽」から作られたサウンドコラージュが響く。また、映像作品「サンビーム(Sunbeam)」は1994年に息子と協力して制作されたもの。昨年の現代美術国際展「ドクメンタ(13)」で発表した巨大な壁面作品を分解し、その3分の1を用いて制作された「カーマゲドン (Carmageddon)」も展示されている。
バイルレは、1937年ベルリン生まれ。フランクフルトを拠点に活動。織工を経て、30年以上に渡りフランクフルト・シューデル美術大学の教鞭を執る。60年代以降、オブジェ、グラフィック、コラージュ、映画、サウンドインスタレーションなど多数の作品を発表。現在、大規模な回顧展がベルギー・ブリュッセルのウィールズ現代美術センターで開催されており、イタリア・ナポリのドンナレジーナ現代美術館でも開催される予定。
【イベント情報】
モニュメンツ・オブ・トラフィック展
会場:エスパス・ルイ・ヴィトン
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7階
会期:9月1日まで
時間:12:00から20:00
入場無料