カスタムペインター・倉科昌高の初個展「新しきカスタムペイントの光と道」がカプセル(CUPSULE)、タンバリンギャラリー(TAMBOURIN GALLERY)、伊勢丹新宿店の都内3カ所にて開催されている。
各会場にはそれぞれテーマを持たせ、カフェ併設のカプセルはゆったりとした空間に合うようアート性の高い作品、タンバリンギャラリーでは“過去”と“現在”を混在させた作品、伊勢丹新宿店では商業スペースとして販売を意識した作品がそれぞれ展示されている。
本展に合わせて二つの「ミロのヴィーナス」が制作された。タンバリンギャラリーには壁一面に描かれた壁画を、カプセルには石像にペイントが施された立像をそれぞれ展示。
カスタムペイントを始めるきっかけとなったMBTダウンヒル界のトップライダー、柳原康弘の引退の年に制作されたヘルメットや十二支をペイントしたボウリングのピンなど過去の作品がタンバリンギャラリーに登場。グルーヴィジョンズ(groovisions)とコラボしたアートピースはカプセルに展示されている。
その他にもバケツやシャベル、ソファなど日常的に目にする量産品をキャンパスにしたさまざまなカスタムペイント作品が各会場で展示されている。
今回、活動20年目にして初の個展開催となる倉科氏。「日々忙しく、楽しく、そして死ぬほど一生懸命にやってきた。一つひとつの制作に満たされていたので、改めて自分の作品を集約して個展をする欲求が生まれなかった」とこの20年を振り返る。
「立体よりも平面(壁)をカスタムする方が難しい。建築業界の仕事を通じて、平面(壁)のカスタムがある程度見えてきたので、ここで区切りを一つつけるために個展を開催しようと思った。大きな会場で作品をまとめて展覧会を行うよりも、テーマを変えたかったので今回は3カ所での個展という形を取った」と説明。
倉科氏はフリーランスのイラストレーターを経て、1993年よりカスタムペインターとしてMTBレーサーのヘルメットペイントを始める。その後、車やバイクのペイントにはあえて進まず、異種クリエーターとのコラボレーション作品を多数制作。布袋寅泰のギターペイントは十数年前より行っており、2005年には岩谷俊和がデザイナーを務めるドレスキャンプのコレクションにも参加。また、「スヌーピーライフデザイン展」でスヌーピー立像へのペイントを施すなど現代アート作品も残している。
インテリアデザイナーの森田恭通や片山正通からの信頼も厚く、「フランフラン(Francfranc)」(青山、名古屋、上海、福岡)や「メグミッドタウン(megu MIDTOWN)」(ニューヨーク)、「STaiR(ステア)」(青山)などの内外装のアートワークを手掛けるなど建築業界でも活躍している。
【イベント情報】
倉科昌高「新しきカスタムペイントの光と道」
カプセル
住所:東京都世田谷区池尻2-7-12地下1階
会期:6月16日まで
時間:12:00から19:00(土日のみ)
タンバリンギャラリー
住所:東京都渋谷区神宮前2-3-24
会期:5月26日まで
時間:11:00から19:00(最終日は18:00まで)
伊勢丹新宿店2階グローバルクローゼット/アートギャラリー
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
会期:5月28日まで
時間:10:30から20:00