ニゴー(NIGO®)こと長尾智明が「アベイシングエイプ®(A BATHING APE®)」のクリエーティブディレクターを退任した。同氏の「ハニカム(honeyee.com)」ブログとツイッターで5月25日に発表された。
4月30日にベイプ現オーナーの香港I.T社との契約が満了している。今後はフリーランスとして、様々なジャンルでクリエーション活動を展開していくという。「ご報告」と題されたブログには、グラフィティアーティストのカウズ(KAWS)によるイラストが添えられており、そこにはNIGO®似のフィギュアが葬られる様子が描かれている。
NIGO®は1993年に「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のデザイナーである高橋盾と共にブティック「ノーウェア(NOWHERE)」をオープンし、猿のキャラクターがアイコンのストリートブランド「A BATHING APE®」をスタート。瞬く間に裏原宿に集まる若者達に注目され、アイテム発売日には長蛇の列が並び、限定アイテムがオークションで高値で取り引きされたりするなど熱狂的な支持を集め「裏原系」ブランドのカリスマとなった。
その人気はアジア、そして世界へも拡大し、各地の有名セレクトショップでも取り扱われている。NIGO®は各界に幅広い人脈を持つことでも知られ、ヒップホップのスター、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とは共にファッションブランド「ビリオネア・ボーイズ・クラブ(Billionaire Boys Club)」「アイスクリーム(Ice Cream)」を設立し、2007年にニューヨークにショップをオープンしている。
2011年1月、NIGO®は自身が経営するノーウェアを、香港でセレクトショップを展開するI.Tへ売却。一部の報道によると、ノーウェアは多額の負債を抱えていたという。その後、A BATHING APE®のクリエーティブディレクターに就任した。
NIGO®は他にも、ビンテージからインスパイアされたアイテムを提案するブランド「ヒューマンメード(HUMAN MADE)」を2010年秋にスタート。アイウエアブランドの「エフェクター(EFFECTOR)」、コンバースの復刻ライン「コンバース・アディクト(CONVERSE ADDICT)」、 ビンテージのポラロイド用フィルムを製造する「インポッシブル(IMPOSSIBLE)」とのコラボブランドデザインや、原宿のカレーショップ「カりーアップ(CURRY UP®)」、自身もDJとしても参加している「テリヤキ・ボーイズ(TERIYAKI BOYZ®)」のプロデュースも手掛けている。