サイバーエージェント、シブヤテレビジョン、凸版印刷の3社は、渋谷駅周辺の各商店街組合と共同で、O2Oサービス「シブヤ・クリッカブル・プロジェクト(Shibuya Clickable Project)」を今年6月初旬から開始すると発表した。
サイバーエージェントはO2O施策の街プロモーションを、シブヤテレビジョンは商店街やリアル店舗との渉外やプロモーションを、凸版印刷はサービス基盤の提供を担当する。
シブヤ・クリッカブル・プロジェクトは、非接触ICカードなどで使われている近距離無線通信技術のNFCを活用した地域情報提供サービス。同プロジェクトでは、渋谷の公園通りや道玄坂、宮益坂の街路灯約300本にICタグ内蔵シールを設置する。渋谷を訪れた人がNFC搭載スマートフォンを街路灯のICタグ内蔵シールにかざすと、周辺店舗のお買い得情報やイベント情報などがスマートフォンに配信される仕組みだ。渋谷にやって来た人は歩きながらさまざまな情報を取得でき、参画企業は効果的な来店誘引や購買促進が期待できる。
ICタグ内蔵シールを利用するメリットは、利用者に正確な位置情報を提供できること。よく使われる通常のGPSでは数十メートルの誤差が生じるので、街中で近くの場所を探し当てるのは難しい。ICタグ内蔵シールを使った同サービスなら、利用者は飲食店の情報やイベント情報などを、街路灯から距離の近い順番で探すことができる。すぐ近くにいるカスタマーがターゲットなので、参画企業にとっても「その場」「その時」に適した限定情報やサービスを提供できるメリットがある。
開始時に提供を予定しているサービスは、こだわりカフェで独自の特別体験を受けられるサービス、日時や場所を限定したイベント情報、渋谷の口コミ情報など。以降も渋谷防災地図などの災害緊急情報、街頭ビジョンと連動したインタラクティブ施策、渋谷を舞台にした宝探しゲーム活用キャンペーンなどを予定している。3社はシブヤ・クリッカブル・プロジェクトを通じ、O2Oサービスを地域活性化につなげていく考えだ。