ミュージシャン・詩人のボブ・ディラン（Bob Dylan）は1941年5月24日生まれ。アメリカ・ミネソタ州出身。

高校時代にロックンロールに熱狂し、エルヴィス・プレスリーに憧れてバンド活動を始めたと言われている。大学時代にフォークシンガーに転向し、大学中退後の61年、ニューヨークに拠点を移す。間もなくプロデューサーであるジョン・ハモンドの目に留り、62年にレコードデビューを果たした。

63年、セカンド・アルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』に収録された『風に吹かれて』が大ヒット。当時アメリカでは公民権運動やベトナム戦争への反対運動が盛んになっていた時期で、同曲はプロテストソングとして若者を中心に支持され、プロテストソングの代名詞と呼ばれるようになった。今でも同時期に流行したヒッピーファッションにフィーチャーしたイベントやショーでBGMとして使われることも多い。

その後ロックやカントリー、エレクトリックなどの要素を取り入れるなど表現の幅を広げ、78年には自信が監督を務める映画『レナルド＆クララ』が公開される。

絶頂期の66年、バイク事故がきっかけで一時活動を控えるが、再び74年に全米ツアーを開始。88年6月から「ネヴァー・エンディング・ツアー」と呼ばれる世界公演ツアーをスタートし、現在も続けている。

88年にロックの殿堂入りも果たし、97年にはグラミー最優秀アルバム賞に選出されるなど数々の受賞歴を持つ。2008年にはアメリカ文化への貢献が評価され、ロック歌手として初のピューリッツァー賞特別賞を受賞。ここ数年は詩人としてノーベル文学賞の候補にも上がっている。

デビュー50周年の2012年には、オバマ米大統領より大統領自由勲章を授与された。さらに同年9月には35作目となるアルバム『テンペスト』をリリースし、72歳の現在もなお現役ミュージシャンとして活躍している。