ニューヨーク在住韓国人フォトグラファー、イナ・ジャンの個展「Mrs. Dalloway」(ダロウェイ夫人)が4月13日から5月28日まで、東京・恵比寿のG/P galleryで開催される。
カットアウトの手法で、フィジカルにもデジタル上でもレイヤーを巧みに重ね、プレイフルな写真作品を発表し、早くから注目を集めてきたイナ・ジャン。現在は、ファッション写真と現代写真のスタープレイヤーとして活躍の場を広げている。日本では、女優の宮沢りえを起用した「SENCE OF PLACE」の2016年のメインビジュアル、資生堂『花椿』の表紙や特集での活躍が記憶に新しい。
そんなイナ・ジャンが同展で発表する新作「Mrs. Dalloway」(ダロウェイ夫人)は、イギリスの女流作家ヴァージニア・ウルフの作品を伏線に、ネガフィルムで複写した近代絵画の断片を流用し、コラージュした写真作品。小説の登場人物らしき像、あるいは日常に流通している女性像や静物画が示唆されるものなどバラエティに富む。しかし、抽象的で曖昧さを保ちつつ、イメージの決定からも逃れているようにもうかがえ、オリジナリティと複製、見る・見られるといったジェンダーの関係性、固有性と匿名性など、写真をめぐるさまざまな問題の境界へと観るものを誘う個展となっている。
なお、会期初日には作家を交えてのトークイベント、レセプションが行われる。
【展覧情報】
「Mrs. Dalloway」
会期:4月13日~5月28日
(トークイベントは4月13日の19:00~20:00、レセプションは同日の20:00~21:00)
会場:G/P gallery
場所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2階
時間:12:00~20:00
休廊日:月曜日(祝日の場合は翌日休廊)