世界中で一躍ブームとなっているレースのブレスレット、「クルチアーニC」の仕掛け人、マリタル社CEOのルカ・カプライ氏が来日した。1984年に初来日して以来、150回以上来日しているという大の親日家の同氏。日本でも好調な「クルチアーニC」の人気の秘密を聞いた。
――最初にこのレースのブレスレットを販売しようと思ったきっかけを教えて頂けますか?
私たちがこのレースのブレスレットの販売を開始する前から、イタリアでブレスレットがブームになる予兆はありました。身体に良い影響を与える石が入ったプラスティック製の製品で、クルチアーニCとはコンセプトも素材もまったく違ったものでしたが。
2011年6月、最初に販売したのは伊トスカーナ州のリゾート地フォルテ・ディ・マルミ(Forte Dei Marmi)にある「クルチアーニ」のブティックです。ブレスレットのデザインはクローバーだったんですが、イタリアですぐにブレイクしました。単にクローバーのデザインが流行ったというわけではなくて、新たにクルチアーニCのブレスレットのマーケットが誕生したということです。今では、ブレスレットが欲しいということで15ヶ国以上の取引先からのウェイティングリストができています。
このレースのブレスレットは、私たちファミリーのDNAのようなものなんです。父の会社はレースを作っていて、単に生産するだけでなく、ヴィンテージのレースをコレクションしています。
――これまでに何本くらい販売されているのですか?
1千万本程度ですね。すべてイタリアで生産しているのですが、現在は、毎月百万本程度のペースです。
――日本でも既にファンが多いですね。
日本では2011年秋から販売に向けて準備を始めました。日本は「クルチアーニ」ブランドを最初に輸出した国でもあり、特別な感情を持っています。今回の来日も仕事でもあり、私にとってのバカンスでもあるんです。1984年に初めて来日して以来150回以上来ていると思います。初来日の時は筑波万博でHSSTというリニアモーターにも乗ったのを覚えています(笑)。すごい国だ、と思いました。その国でこのブレスレットが受け入れられているのは光栄なことです。
――ブレスレットの日本での販売シェアは?
全体の11%程度です。販売本数はイタリアが1位ですが、2位が中近東、3位がスペインと日本。マーケットの成長性を考えると日本は近いうちに20%程度までのシェアに拡大すると予想しています。
確かにクルチアーニCのブレスレットは日本に限らず世界的に女性の間でブームになっているのですが、私は一番ポテンシャルの高いマーケットは、実は日本だと思っています。それは日本人は女性も男性も非常に、ファッションに関心が高くてディテールにこだわります。このブレスレットのことも理解されやすい国民性だと思います。
――日本の「G.V.G.V.」とのコラボ限定モデルも販売されていましたね。
コラボレーションする相手は、その人とフィーリングが合うかどうかで決めることもあります。ちょっと贅沢なブレスレットを作りたくて有名なジュエリーブランドとコラボすることもあるし、いろいろです。G.V.G.V.は非常に若いイメージのブランドなので、一緒にコラボレーションすれば面白いのではと思って。
限定モデルを作るときに本数は決めていないのですが、ダミアーニのダイヤとゴールドを組み合わせたモデルは3,000本、時には1,000本のものもあります。
――新しいデザインのブレスレットを何か教えて頂けますか?
国旗のコレクションがイタリアで1ヶ月ほど前に発売されています。約50カ国を選んで、国旗の色をベースにアメリカは星、オランダはチューリップ、フランスはエッフェル塔など、日本は日の丸がモチーフになっています。特別なモデルはある記念に作ることが多く、チャリティの目的のものもあります。
――東日本大震災のチャリティブレスレットも発売されてました。1,000万円を寄付されたとか?
ええ、宮城県石巻市に寄付をさせて頂きました。小さな貢献ですが、大変光栄なことです。私自身、日本から非常に多くのものを頂いており、少しだけ恩返しをしたつもりです。当たり前のことです。日本人の他人に対する思いやりの気持ちや、小さなモノやことでも大切にする文化は、いつもさまざまなことを私に教えてくれています。