ドレスコードやテーマが設定されたパーティーは珍しくない。けれど、一年で最もゴージャスなパーティーのテーマが、もしも“パンク”だったら…。
毎年恒例のNYのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートの展覧会のオープニングパーティーは、「メットボール(Met Ball)」「メットガラ(Met Gala)」とも呼ばれ、多くのデザイナーやセレブリティ達が華やかな装いで訪れる。
ここでのドレスコードはもちろん“フォーマル”。だが今年は、展覧会のテーマにちなみ、クチュールドレスを着こなしながら、いかにパンク・スピリッツを表現するか、レッドカーペット常連のファッションセレブ達もかなり頭を悩ませたよう。
パンキッシュなヘア&メイクにジュエリー、安全ピンやスタッズ、チェーン、ジッパーをあしらったドレス、アニマルプリントなど。トレンドを反映した大胆なカットアウト・ドレスで、美しいボディと反骨精神をアピールするセレブも多かった。
NYを象徴する女優サラ・ジェシカ・パーカーが選んだのは、「ジャイルズ・ディーコン(Giles Deacon)」のデジタルプリントのドレス。脚元はタータンチェックのサイハイブーツ、更に奇抜なデザインで知られるアイルランド出身の帽子デザイナー、フィリップ・トレーシー(Philip Treacy)のモヒカン・ヘッドピース。賛否両論ではあったけれど、サラ・ジェシカにしか着こなせない、さすが!と思わせるアナーキーなコーディネート。
同イベントの委員会に名を連ねるチェアマンのひとり、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)のミューズとして知られる女優ルーニー・マーラが着る白いレースのドレスはもちろん「ジバンシィ(Givenchy)」。一見エレガントなクチュールドレスだが、ジッパーがデザインポイントになっている。シエナ・ミラーは、白いドレスにスタッズ満載のライダースジャケットとヘアオーナメントを組み合わせた。こちらは「バーバリー・プローサム (Burberry Prorsum)」。
リアル・パンク・プリンセスは、パンクの女王「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」のドレスで登場した女優クリスティーナ・リッチとモデルで女優のリリー・コール。この夜、"最もスタイリッシュ"と評されたアン・ハサウェイは、「ヴァレンティノ(Valentino)」のビンテージドレスでスターの存在感を示しながらも、話題のデボラ・ハリー風ブロンドヘアで、パンクスタイルを表現した。
なお、この日エマ・ワトソンが着た「プラバル・グルン(Prabal Grung)」、ジゼル・ブンチェンの「アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)」、ケイト・ボスワースの「バルマン(BALMAIN)」、ダコタ・ファニングの「ロダルテ(Rodarta)」、テイラー・スウィフトの「ジェイ・メンデル(J.Mendel)」のドレスは、同展のスポンサーであるオンラインショップ「モーダ・オペランディ(Moda Operandi)」で販売されている。また、「トップショップ(TOPSHOP)」でも、ニコール・リッチー、ジョーダン・ダンらが着たドレスが9月に発売される予定だ。