5月12日の母の日に向けて、「花」に次いで人気の高い「洋菓子」の動きが活発化している。2013年母の日スイーツの動向について、三越銀座店食品&レストラン営業部マネージャー・畔田隆弘氏に話を聞いた。
同店の行列人気ブランド「オーザン(ohzan)」(クロワッサンラスク)や、堂島ロールの姉妹ブランド「パティスリー・モンシェール(Patisserie Mon cher)」に加え、今年は「この店(三越銀座店)でしか買えない限定ブランドに人気が集まっている」と畔田氏は話す。
パリのショコラティエ兼パティシエ「フレデリック・カッセル(Frederic Cassel)」の常設ショップは国内では銀座三越のみ。サロン・デュ・ショコラにも出品して話題のブランドだが、母の日ギフトとして銀座のフラワーショップ「ジャルダン・マニュエル(jardin MANUELLE.)」とのコラボレーションボックスを提案。上質なフランス産の粉とバターで焼き上げたパウンドケーキに、プリザーブドフラワーのアレンジメントを組み合わせた。価格は7,350円。
昨年3月に誕生した「スイーツと紅茶のマリアージュ」を提案する「デセール・テ」のオリジナルスイーツブランドも好調。なかでも一番人気は「ケークカヌレ」(1個315円)。生地には熊本県産米粉を使用。しっとりと焼き上げた「ケークカヌレ」は「フランボワーズ」「ショコラオランジェ」「アールグレイアプリコ」など6種類の味を展開。3個入り(1,155円)や6個入り(2,100円)のアソートボックスや紅茶との組み合せギフトが選ばれているという。
今年、初めて取り組んだインターネット受注も好調で、予算比120%に達する見込み。洋菓子のピークは5月11日で、ひな祭り、クリスマスに次いでホールの生ケーキの需要が高く、母の日前日は各ショップ終日列が絶えないという。
また、4月に開業した歌舞伎座に関連したオリジナルアイテムも、和菓子を中心に母の日のギフトとしても人気だという。
洋菓子フロアでは銀座限定ショップやオリジナル商品の提案を徹底して行っている。オリジナル商品のシェアは銀座店は2割を超えており、洋菓子が売り上げの50%を占め、単品のシェアでは洋菓子がトップとなり、食品フロアの売上を牽引しているという。
同店は2010年9月に全館のリモデル増床を実施。食品部の売り上げは好調に推移しており、2012年度は食品部全体で前期比104%。近隣の晴海地区の高層マンションの建築により足元商圏からの集客がアップしているという。