2013年4月2日に誕生した歌舞伎座タワーの5階に新たな文化スポット「歌舞伎座ギャラリー」(東京都中央区銀座4-12-15)が4月24日にオープンした。
同ギャラリーは、季節に応じてテーマを変えながら企画展が開催される「展示スペース」と、第四期歌舞伎座の舞台で使用されていた檜を敷いたステージを備える「木挽町ホール」で構成。
オープニング企画展として『歌舞伎の美・春』が「展示スペース」と「木挽町ホール」を使用して6月30日まで開催。春をテーマにした演目『京鹿子娘道成寺』で使用された衣装や小道具をはじめ、花丸文様のタペストリーや道具帳コレクション、歌舞伎座上演舞台のダイジェスト映像などが一堂に展示される。
同フロアには屋上庭園が設置されており、歌舞伎の始祖といわれる出雲の阿国にあやかり、“阿国桜”と名付けられたしだれ桜をはじめ、さまざまな花や樹木が植えられている。また、「弁天娘女男白浪」などで知られる歌舞伎狂言作者、河竹黙阿弥の旧邸にあった石灯籠や、名優たちをたたえる先人の碑なども据えられている。
屋上庭園のそばには築地に創業して今年で160年となる、お茶と海苔の老舗、丸山海苔店による日本茶カフェ「築地丸山・寿月堂」がオープン。約2,700本もの竹を使い、茶禅の世界を再現した空間は寿月堂パリ店も手がけた建築家、隈研吾氏の設計によるもの。喫茶スペースからは屋上庭園が一望でき、店内では日本茶とともに抹茶ソフトクリームや抹茶蕎麦などが味わえる。
その他にも同フロアでは子どもや歌舞伎初心者でも楽しめるよう、オリジナルの土産が買える「土産処 楽座」や歌舞伎座の衣裳を着て写真が撮れる「スタジオアリス歌舞伎写真館」が出店している。
4月22日にオープン記念トークショーが開催され、歌舞伎役者の中村梅玉が登場。「歌舞伎は衣裳や道具など全てを含めて総合芸術として成り立っている。その空気感を感じてほしい。このギャラリーが観光客や初心者の人たちにも歌舞伎に興味をもつ入り口になってくれれば。」と語った。