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この数シーズン、ピッティウオモからミラノへプレゼンテーション発表の場を移し、ブランドのDNAであるイタリアンクラシコの技術を生かした新しいブランドの世界観を打ち出しているボリオリ(BOGLIOLI)が16日、16-17AWコレクションを初のランウェイ形式で発表した。
今シーズンよりデザイナーとして起用されたのはグッチ、アルマーニで経験を積んだダヴィデ・マレッロ。前シーズンの明るいカラーが影を潜め、バーガンディ、茶、ブルー、グリーンといったアーシーなカラーをニュアンスのある糸使いで深みを表現しており、幾重にも重ねたトーンが全体をグレイッシュに包んでいる。ボリオリを代表する芯地を省いたカーディガンのようなジャケット、ウールのローブコートなどベーシックなクラシカルなアイテムを中心に、軽さと柔らかさに重点が置かれたコレクション。
ざっくり編んだニットに太めのパンツとボストンバッグ、フード付きのビッグシルエットのコート、ウィメンズのパンツスーツなど、ミラノのモード系ブランドとしての方向性を垣間見せつつ、ボリオリ本来のサルトリア精神に忠実なルックで構成された、緩やかに変化への序章を感じさせるコレクション。
Text: 野田達哉