パリ発のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ(Salon du Chocolat)2016」が1月27日から31日まで新宿NSビルで開催される。昨今チョコレート界で新しいトレンドとしてその地位を確立し、同祭典でも発売される“Bean to Bar”について紹介する。
今年のサロン・デュ・ショコラのテーマは、「カカオの誘惑、ショコラの冒険」。会場では世界でも名高い、一流のショコラティエたちが自らの作品を通じて、“カカオの魅力”を伝える。そして、最新の業界のトレンドが「Bean to Bar」のチョコレートだ。
Bean to Barとは、チョコレートの素材となるカカオ豆(Bean)の選定から、チョコレートのタブレット(Bar)になるまでの全工程を一つのショコラトリー(工房)で一貫して行うこと。これによって、ショコラティエが自ら各製造段階において詳細に管理できるため、手間のかけ具合や素材の調合など、ショコラティエのこだわりが反映されたチョコレートが生み出される。
会場では、伝統的にチョコレートの文化が息づくフランス・バスク地方にショコラトリーを構えるライヤ(LAIA)のBean to Barが登場。同ブランドを手掛けるオリヴィエ・カズナーヴは、大手チョコレートメーカー・リンツの元焙煎師であることから、焙煎時の豆の状態や時間、温度などを熟知。そんな同氏が提供するのは、ブラジル産カカオを75%使用したという「タブレット ショコラ ブラジル」(60g 1,000円)。75%にこだわる理由はタブレットとして最も美味しく食べることができる黄金比率だからだという。
東京・渋谷の富ヶ谷にBean to Bar専門店として誕生したミニマル-ビーン トゥーバー チョコレート-(Minimal -Bean to Bar Chocolate-)は、サロン・デュ・ショコラに初お目見え。同ショコラトリーは世界各国から良質のカカオ豆を厳選し、カカオ豆本来の味わいや香りを徹底的に追求している。今回は“カカオ産地世界一周の旅”をテーマに赤道直下の国々のカカオで作られたタブレットセット「ミニマルフライト2016」(24枚入り 5,500円)を発売する。
南フランスのドローム地方にショコラトリーを構えるモラン(CHOCOLATERIE A.MORIN)は、サロン・デュ・ショコラ初登場。同ブランド4代目のフランク モランは、特にペルーのカカオ生産者との繋がりが深いことで知られる。「チャンチャマイヨ63%」(100g 1,700円)は、ペルー産カカオを使用し、柑橘系フルーツを感じさせる酸味と甘い香りを楽しむことができる。
ロンドンに店を構えるアケッソンズ(AKESSON’S)は、マダカスカルに自社農園をもち、カカオ豆の栽培からチョコレートまでを手掛ける。同ショコラトリーを手掛けるベルティル・アケッソンは、チョコレートはもちろん、カカオ産地のテロワール(その土地の気候や土壌)までも堪能して欲しいというコンセプトを大切にしているため、カカオの産地と同じ土地で採れた胡椒やコーヒーなどを組み合わせたショコラを紹介する。「マダガスカル75% トリニタリオ&ヴォーティベリフェリ ペッパー」(60g 1,250円)、「マダガスカル アンボリカピキィプランテーション75% クリオロ」(60g 1,250円)など。