今からおよそ10年前、国内にカフェブームが到来した。当時、カフェに行くこと自体がステータスとなっていたほどに、内装やインテリアにこだわったお洒落なカフェが続々とオープンした。ちょうどその頃から、「かもがわカフェ」オーナー・高山大輔さんの“珈琲と歩む日々”が始まった。高山さんは、「おしゃれなカフェで、もっと美味しい珈琲が飲みたい!」という思いから、01年より飲食業で経験を積み、04年に地元でもある京都の丸太町・西本三本木通り沿いの住宅街に「かもがわカフェ」をオープンした。
高山さんは、自ら珈琲の研究をすると共に、東京を中心に日本各地の有名喫茶店にも足を運んだそう。「まだ、誰もやっていない事がしたい」と、独自の味を追求した結果、カフェ店内で自家焙煎をするようになった。かもがわカフェがオープンした当時、自家焙煎をするカフェはとても珍しかったという。毎日10~20分、厨房の奥にあるハンドロースターで焙煎を行う。そして、注文が入る度に豆を挽き、ハンドドリップで珈琲を提供した。その味に惚れ込んで、通いつめてくれるお客さん、そして他店のカフェからも声がかかり、今では豆の卸しも行っている。高山さんは、カフェのオーナーでもありながら、屈指の焙煎士なのである。
「かもがわカフェ」の店内は、ゆっくり出来る空間作りをテーマに、木のぬくもりが伝わる落ち着いた雰囲気のメインホールと、奥には白い壁が広がるシックな小部屋、1Fのメインホールが見渡せるロフトといった、それぞれ雰囲気が異なる3部屋で構成されている。何度来ても、気分を変えて楽しめるように、あえて3つの雰囲気を用意したそう。また、「かもがわカフェ」には、大きな本棚がある。そこには、漫画やアイドル写真集、高山さんが子供の頃にご両親にプレゼントをしてもらった絵本まで、あらゆるジャンルの本が置かれている。「主役はお客さんなので、リアルにみんなが好きな本を用意しています」と高山さんの思いが詰まった本棚となっている。
店内でゆったりと過ごしながら、おいしい珈琲はもちろん、食事を楽しむことも出来る。今回は、ランチに「本日の日替わりごはん」を注文。その他にも、カレー、スープとパンのセットがあり、季節の野菜を使用した日々違うメニューが用意されるのも嬉しい。そして、デザートにはガトーショコラと珈琲(かもがわハウスブレンド)を注文。口どけの良い濃厚なチョコレートが、高山さんの珈琲と実によく合う。深みとコクがあり、鼻に抜ける珈琲の香りを楽しみながら、最後のひと口までじっくり味わえる一杯。高山さんが丁寧につくった珈琲とともに幸せな時間を過ごすことが出来た。
取材協力/
かもがわカフェ
TEL:075-211-4757