「クロエ(Chloe)」の創業者であるギャビー・アギョン(Gaby Aghion)が、フランスの文化・通信大臣オレリー・フィリペティ(Aurelie Filippetti)により12月16日にレジオンドヌール勲章を授与された。同賞は、フランスのファッションと文化への貢献者へ贈られるもの。
1921年にエジプトで生まれたアギョンは、戦後パリに移住。52年に閉鎖されたオートクチュールメゾン「ルシアン・ルロン」のアトリエから腕の良い裁縫師を引き抜き、自身のブランドを設立。お気に入りの名前だった「クロエ」をブランド名に選んだ。
エジプトからインスピレーションを受けたディテールを採りいれた初のショーは、58年にパリ・サンジェルマンデプレにあるカフェ・ド・フロールで開催され、好評を得た。その後もカフェを舞台に、ストリートの雰囲気をまとったリアルでフレッシュなコレクションが発表された。
クロエの成功について、「竜巻のような生活がアイデアに命を吹き込み、洋服によって具現化させるスピリットを与えた。当時ほとんどのものが実在しておらず、すべてこれから発明させることにワクワクした」とアギョンはコメントしている。
レジオンドヌールは、ナポレオンにより1802年に制定されたフランスの最高勲章。平時戦時に軍人や文化・科学・産業・商業・創作活動などの分野における民間人の功績を表彰することを目的としている。勲章の赤いリボンは、17世紀にルイ14世によって設けられた「聖ルイ勲章」の名残。