ジャパン・ベストニット・セレクション2013アワード授賞式が同展最終日の12月11日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、佐藤繊維がグランプリを受賞した。
ジャパン・ベストニット・セレクションは今回で6回目を迎えたが、アワードは同展の更なるレベルアップと質の向上を目指し、今回初めて行われたもの。オリジナルの紡績糸に創造性とデザイン性を加え、実際に売れる商品を作っていることが評価された。
佐藤正樹社長は「市場やトレンドを追うのではなく、自社の特長を活かし、今自分にできるものを提案してきた。これからも、世界に発信することができるものづくりを行っていきたいし、日本の市場に新しいファッション文化を発信したい。次回もグランプリに選ばれるようにものづくりを進化させていきたい」とあいさつした。
また、デザイン賞は高度な縫製技術を駆使した、完成度の高いデザインでバーンズファクトリーが、技術賞はハイゲージや成型、縫製技術を融合させた優れた技術が評価された第一ニットマーケティングが、それぞれ受賞した。デザイン賞次点は中橋莫大小、技術賞次点は丸和ニット。バーンズファクトリーは「ニット産業を日本に取り返したいし、頑張って儲けたい」、第一ニットマーケティングは「褒められ貧乏ではなく、(今回の受賞を)利益に結びつけられるようにしたい」と強調した。
審査委員会アワード審査委員長の太田伸之クールジャパン機構社長は「クールジャパン機構は日本のいいものを高く売るような仕事をしている企業や日本の産地がものづくりを続けるための刺激になるようなことを応援したいと思っているが、ジャパン・ベストニット・セレクションも年々レベルが上がっている。これからも日本のニットの良さを訴えてほしい」と語った。
ジャパン・ベストニット・セレクションは国産のニット製品とテキスタイルに特化した展示会。2011年度のニット製品の輸入浸透率が数量ベースで96%を超えるなど、中国を始めとするアジア周辺諸国からの輸入製品に席巻される中で、産地の各企業が技術、感性、生産システムを活かしたオリジナル製品を提案することによって、日本のニットの文化と匠の技をビジネスに結びつけるために2009年からスタートした。アワードは太田氏など6人の審査委員によって出展企業から選ばれたもので、次回も継続する予定。