ミュージシャンのトム・ウェイツ(Tom Waits)は1949年12月7日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。
10代の頃、カリフォルニア各地を転々とし様々な職業につきながら、サンディエゴ周辺のクラブでギターやピアノを演奏し始める。72年、アリス・クーパー(Alice Cooper)らのマネージメントを手掛けるハーブ・コーエンに見出され、アサイラム・レコードから「クロージング・タイム(Closing Time)」でデビュー。初期の作品は、50年代のビートニクや初期のフォークサウンドをルーツに持ち、“酔いどれ詩人”の異名をもつ歌詞と独特のしゃがれ声でLAの夜の生活の底辺を歌い描いた。
1976年、通算4作目にあたる『スモール・チェンジ(Small Change)』を発表。その1曲目に収録された「トム・トラバーツ・ブルース(Tom Traubert's Blues)」はボン・ジョヴィ(BON JOVI)のティコ・トーレス(Tico Torres)ら様々なアーティストにカバーされ、キャリアを代表する楽曲の一つとなっている。80年代に入るとレーベルを移籍し、思い切った実験的なサウンドを展開。更に、音楽だけでなく、演劇、映画の分野でも活躍。個性的なキャラクターで映画監督を魅了し、フランシス・コッポラ(Francis Coppola)の『アウトサイダー』や『ドラキュラ』など数多くの作品に出演し続けている。
92年発表の「ボーン・マシーン(Bone Machine)」、99年の「ミュール・ヴァリエーションズ(Mule Variations)」でグラミー賞を獲得。2008年には女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)が歌手デビュー作品としてカバーアルバム『レイ・マイ・ヘッド(Anywhere I Lay My Head)』を発表するなど、彼の音楽は今なお幅広い世代へ影響を与え続けている。