三陽商会の紳士靴ブランド「三陽山長」は14SSシーズン、森林保全団体「モア・トゥリーズ(more trees)」とコラボレーションし、エゾシカ(蝦夷鹿)レザーを用いたアイテムを発売する。
エゾシカはニホンジカ(日本鹿)の一種。ニホンジカは絶滅の危機に瀕していたが、近年では保護政策、狼の絶滅などにより急増。現在では山林を荒らす「害獣」と位置付けられている。環境省は2025年度には北海道以外の全国で500万頭に増えると推計を発表している。
このような背景の中、日本で使用されている鹿素材は殆どが輸入品だ。同社はこうした状況を変えることを企図。日本における鹿素材の新しい活用方法を模索し、鹿革(ディアスキン)の柔らかさ、伸縮性を生かしたドライビングシューズを製作した。アッパーに夏毛を用いたスリッポンやタッセルローファーなど3型をラインアップ。ネイビー、ブラウン、ホワイト、レッドなど12色を展開する。ソールはイタリアのビブラム社製だが、それ以外はすべてがジャパンメイド。値段は3万7,800円から。シューズの他にはトートバッグ、クラッチバッグを製作。また、スエードアイテムの販売も予定している。
「1シーズンだけで終わらせる取り組みではない。今後も続けていきたい」と三陽商会の紳士服企画ディヴィジョンビジネス企画グループ課長代理の猿渡伸平氏。14AW以降はグローブやコートなどへの展開へつなげたい考えだ。
三陽商会は、「アートフェア2011」でmore treesと協業し、現代美術美術家・栗林隆とのアートピースを制作している。