東京・新橋の虎ノ門エリアに、2月24日から「旅する新虎マーケット」がグランドオープンする。4年後に開催される東京オリンピック・パラリンピックを利用した地域活性化推進首長連合によるこの事業で、ビジネス街のイメージが強い虎ノ門の景色は一変するかもしれない。一般公開を前に開かれたプレス内覧会のレポートをお届けする。
「旅する新虎マーケット」とは、東京オリンピック・パラリンピックのシンボルストリートとなる新虎通りに作られた、日本各地の市町村が運営する旬な食とアイテムが集結するポップアップスタンド「旅するスタンド」と、三越伊勢丹によるセレクトストア「旅するストア」、地域の厳選食材を取り入れたスペシャルメニューが味わえる「旅するカフェ」の総称となる。
“旅する”と名付けた背景には、新虎通りを歩きながら、行ったことのない街の新たな魅力を発見してほしい、との願いが込められているという。都心の高層ビル群の中にぽっかりと広がる「旅する新虎マーケット」には、ローカルカルチャーへの興味を呼び起こすユニークな工夫が凝らされている。
4棟からなる「旅するスタンド」は、3ヶ月ごとに運営する自治体が入れ替わる期間限定のアンテナショップのような場所だ。24日から営業を始める第一陣は、今治市(愛媛県)、高岡市(富山県)、山形市(山形県)、宇部市(山口県)が担当し、各スタンドではその街を物語るグルメを味わうことができる。
今治のスタンドでは、ソウルフードとして定着する「今治焼豚卵飯」(760円)やじゃこ天&今治レモン天(350円)、フレッシュ柑橘生搾りサワー(450円~)などを提供する。
高岡市のスタンドでは、希少な地酒「清都酒造場 勝駒 純米酒」(840円)と共に、とろろ昆布と一緒に食べる「高岡おでん盛り合わせ」(580円)を味わうことができる。まだ肌寒いこの時期にぴったりの、魅惑の取り合わせだ。
山形市のスタンドでは、ジューシーな山形牛を贅沢に使った「山形牛ステーキ&フレンチフライ」(1,980円)や「牛肉オムレツ」(840円)などの洋食メニューの他、ほくほくの芋がごろっと入った「芋煮定食」(880円/ランチのみ)、地酒(380円~)が味わえる。
宇部市のスタンドでは、瀬戸内海産のワタリガニとうっぽくたけのこを使った「宇部クラブケーキバーガー」(980円)や、さわやかな酸味が口に広がる「宇部紅ほっぺコーディアルソーダ」(400円)、酒粕を使ったホットドリンクなどを提供する。
いずれのスタンドも、バルニバービ、ウェルカムによる巧みなプロデュースがなされており、旅先で地元の人が集うローカルな名店を探し当てたような気分に浸りながら、郷土料理を楽しむことができる。ランチタイムとバータイムでメニューが変わり、使い勝手もよさそうだ。ゆっくりと着席してグルメを楽しみたい時は、隣接する「旅するカフェ」がおすすめだ。
「旅するストア」では、三越伊勢丹が「美意識」、「手仕事」、「真心」をテーマに、「旅するスタンド」で出展する自治体の特産品や全国から厳選したアイテムを販売する。今治タオルや山形の「ネコこけし」(3,200円)の他、ギフトにも最適な気の利いた逸品がそろう。オリジナルアイテムも充実しており、三越「華ひらく」モチーフのだるまや赤べこ、「ISETAN TARTAN」柄のファッションアイテムや小物なども展開する。
「旅する新虎マーケット」は、オリンピックで来日する外国人観光客を見据え、出展自治体の魅力を発信し、観光誘致を目指す場でもある。ゆくゆくは海外のマルシェのようなファーマーズマーケットの開催も計画されているようだ。きっと、「旅する新虎マーケット」を訪れた人は、地域の魅力に引き寄せられ、旅に出たくなるはずだ。旅に魅せられた人々でにぎわう、東京の新スポットとなるだろう。