モデルに栗原類をキャスティングしたことも話題となったヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)の15SSメンズコレクション。会場となったのは、パリのショールーム。
インスピレーション源となったのは、小津安二郎の映画『東京物語』。人間の生と死までをも見つめた深淵なこの映画のストーリーから、「PERDU(失われたもの)」というテーマを導き出しコレクションに落とし込んだ。
ジャカード織りのスーツには、プリントのシャツを合わせてモチーフ・オン・モチーフに。ホルスターやハーネスのようなベルトのジャケットがあるかと思えば、ノマド風のケープが登場し、バリエーション豊かなシルエットを見せた。
ピンストライプの生地をくり抜いてアップリケ刺繍したスーツや、ボタンを沢山縫い付けたジャケットなど、手の込んだアイテムも。ゆったりしたシルエットのデニムのセットアップも印象的だ。刷毛で汚したようなモチーフのシーチング地のシリーズでは、バックサイドに迷いネコや迷い犬の写真をプリントし、山本耀司本人の写真に「使い捨てOK」と書かれたジャケットも登場。
様々な素材を駆使し、様々なスタイルを見せたが、ヨウジヤマモトらしいシックなコードは終始失われず、最後にユーモア溢れる遊び心を見せて締めくくった。